2022 Fiscal Year Annual Research Report
土壌動物群集の同位体とDNAメタバーコーディングから炭素循環を理解する
Publicly Offered Research
Project Area | Digital biosphere: integrated biospheric science for mitigating global environment change |
Project/Area Number |
22H05729
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
兵藤 不二夫 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (70435535)
|
Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
|
Keywords | 土壌生物 / 土壌動物 / 土壌微生物 / 同位体 / DNAメタバーコーディング |
Outline of Annual Research Achievements |
陸上生態系において地下部に入った植物遺体は、土壌微生物や土壌動物によって分解され、有機物残渣が土壌に貯蔵される。この炭素隔離の仕組みは、気候条件や土性、近年では植物の機能形質や土壌微生物群集に着目しながら研究されている。しかしながら、有機物分解に関わる土壌動物の現存量や組成、そして土壌動物の餌資源はよくわかっていない。これらを明らかにするために、本研究はモニタリングサイト1000の森林サイトにおいて、土壌動物群集全体を対象とした安定同位体、放射性炭素、DNAメタバーコーディング分析を行う。そして、植物の機能形質や土壌微生物群集の特徴とあわせて、土壌動物群集と土壌炭素動態との関連を明らかにすることを目的とした。
2022年年度は、モニタリングサイト1000森林サイトの足寄、糟屋の2地点において、土壌を採取した。これら土壌から土壌動物試料をツルグレン法によって抽出し、凍結乾燥した。また土壌微生物バイオマスをクロロホルム燻蒸法で定量し、その試料を得た。これら試料の安定炭素窒素同位体比を測定した。その結果から、安定同位分析だけでなく放射性炭素同位体分析に対しても、十分量の土壌動物と土壌微生物の試料が得られることを確認した。さらに、一部試料については放射性炭素濃度を測定し、何年前の光合成産物に土壌生物群集が依存しているか、過去の大気中二酸化炭素の放射性炭素濃度と比較してその食物年齢を推定した。現在、これらの結果の解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた土壌微生物試料の回収法の改良が必要であったが、改良の結果は問題なく回収できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、土壌動物と土壌微生物の試料採取が可能であることがわかった。そのため、2023年度は予定の残りの2地点の調査を行う。
|