2012 Fiscal Year Annual Research Report
花メリステム構築の分子メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Plant regulatory systems that control developmental interactions between meristems and lateral organs |
Project/Area Number |
23012031
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
相田 光宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特任准教授 (90311787)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / 発生 / 運命決定 / 幹細胞 / 転写因子 |
Research Abstract |
シロイヌナズナの花芽形成において、細胞の運命決定と幹細胞の確立の両者をつなぐ鍵となる転写因子PUCHIについて、以下の結果を得た。 1)花メリステムの形成に顕著な異常を示すpuchi cuc2 cuc3三重変異体について、詳しい解析をさらに進めた。この変異体ではドーム状の花メリステムの形成が起こらず、かわりに扁平な向軸面をもった突起が生じる。その結果花を欠失し、鱗片状の苞葉に覆われた「花序」を発達させる。突起の背軸側にはFILが発現し、向軸側ではSTMの発現がみられたが、原基の発達と共にSTMの発現は消失した。また、突起内部ではWUSの発現が消失していたことから、PUCHIはCUC2およびCUC3とともに花メリステムにおける幹細胞の再構築過程に必要であることが示唆された。 2)puchi cuc2 cuc3三重変異体でSTMの発現が消失する意義を明らかにするため、PUCHI遺伝子の制御領域とSTMコード領域をつないだコンストラクトを三重変異体に導入したところ、花の発生がほぼ回復した。このことからPUCHIはSTMの発現制御を介して直接または間接的に花メリステムの形成を促進することが示唆された。 3)これまで花原基形成にはオーキシンが重要な役割を果たすことが知られていた。花原基形成過程におけるオーキシンとPUCHIとの関係を明らかにするため、レポーター遺伝子を用いてPUCHIの発現パターンを詳細に解析したところ、PUCHIの転写活性化はオーキシンレポーターであるDR5rev-GFPの発現よりも遅れて起こることが分かった。また、オーキシン極性輸送の異常により花原基茎生が出来ない突然変異体pin1ではPUCHIの発現が消失していた。以上から、PUCHIはオーキシンの下流で働くことが示唆された。
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Research Products
(5 results)