2011 Fiscal Year Annual Research Report
休眠原始卵胞活性化技術を用いたヒト卵胞発育制御因子の解明と卵巣―卵胞培養法の確立
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
23013004
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
河村 和弘 秋田大学, 医学部, 講師 (10344756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 俊郎 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (20375249)
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Keywords | 原始卵胞 / 卵巣 / 卵胞発育 / 組織培養 / 卵巣凍結 |
Research Abstract |
本研究では、休眠原始卵胞の人為的活性化技術を用いて、ヒト卵胞発育機構の解明と卵巣-卵胞組織培養による体外卵胞発育法を確立することを目的としている。本年度は我々の開発したヒト休眠原始卵胞の活性化技術の改良するため、PTEN抑制剤+PI3K活性化剤処理の至適化を行った。ヒト正常卵巣皮質断片を用いた検討により至適培養条件を決定した。次に活性化された原始卵胞の発育をさらに促進する因子の探索を行った。当初はレーザーマイクロダイセクションにより、ヒト各発育段階の卵胞を回収しDNAマイクロアレイに用いて網羅的検索をする予定であったが、ヒト試料では凍結切片から原始卵胞と一次卵胞を区別して採取するのが困難であったため、マウスを用いて行い、その成果をヒトで確認することにした。現在のところ2つの初期卵胞発育を促進する新規因子を同定してその解析を進めており、1つは2次卵胞の発育を促進する因子、もう一つは1次卵胞の発育を促進する因子であった。2次卵胞の発育を促進する因子は卵巣顆粒膜細胞で産生され、顆粒膜細胞に発現している受容体にオートクライン経路で作用し、cGMPの産生を介して卵胞発育を促進した。1次卵胞の発育を促進する因子は卵子より産生され、顆粒膜細胞に発現している受容体にパラクライン経路で作用し、卵胞発育を促進した。これらの因子はマウスおよびヒトでの機能解析を終了し、論文投稿中である。 これらの因子以外にも候補因子はあり、現在機能解析を進めている。また、本研究課題から派生した研究により黄体形成を制御すると考えられる血液凝固関連因子および卵子成熟を抑制するC-type natriuretic peptide(CNP)を同定し報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト試料から各発育段階の卵胞を採取する困難さが明らかになり、マウスを用いた研究からヒトへ応用するよう研究の進め方を変えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のようにヒト卵胞発育制御因子の解明を行うためヒト各発育段階の卵胞が必要であったが、ヒト試料からの検体採取が困難であったため、マウスを用いて検討を行い種間の保存性を考慮しながら、ヒトでの効果について検証する事にした。今後は卵胞発育制御因子の同定・解明を行い、それを用いたヒト卵巣-卵胞組織培養の確立を目指す。培養法が確立され、卵子が採取された際には卵子の正常性に関して機能解析、遺伝子解析、ゲノムインプリンティング解析を行う。
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