2012 Fiscal Year Annual Research Report
クロマトイドボディおよびmRNP構成因子の精子形成における役割
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
23013005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柏原 真一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00254318)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 精子形成 / 翻訳制御 / Y-boxタンパク質 / MIWI/PIWIL1 / TPAP/PAPOLB |
Research Abstract |
(1)Y-boxタンパク質の翻訳における機能解析 プロタミンなど半数体特異的mRNAの3'-非翻訳領域に結合するMSY2やMSY4は、精巣においてポリ(A)鎖結合タンパク質PABPCとともにおもにmRNP画分に存在することから、mRNAの保存と翻訳遅延にかかわっていると考えられている。これらタンパク質のλN融合タンパク質とBoxB含有ルシフェラーゼレポーターRNAを用いて、それらの翻訳におよぼす影響について培養細胞を用いて調べたところ、翻訳を活性化することが判明した。Y-boxタンパク質は、PABPCと直接結合することから、この翻訳活性化効果はPABPCをリクルートするためであると考えられる。このことはまた、精巣においてY-boxタンパク質が翻訳抑制的に機能するためには、ほかに協働因子が必要であることを示唆している。特異的抗体の作製が完了したので、免疫沈降法等により相互作用因子の探索を行っている。 (2)精巣特異的ポリ(A)ポリメラーゼTPAP/PAPOLBの機能解析 TPAPIPAPOLB欠損マウスの精子形成は、クロマトイドボディ構成因子であるMIWIやTDRD6の欠損マウスと同じ時期で停止する。そこでそれらの関連性について調べた。TPAP欠損マウスにおいても、MIWIやTDRD6は野生型と同じレベルで存在しており、クロマトイドボディに局在していた。また、電子顕微鏡による観察でもクロマトイドボディの大きさ等に変化は認められなかった。さらに、LINE1やSINE B1などのレトロトランスポゾンの発現上昇も見られなかった。これらの結果は、TPAP欠損による精子形成不全はMIWIとは関連がないことを示唆している。一方、TPAPはポリ(A)鎖伸長を介して特定mRNAの翻訳活性化に関与すると考えられてきた。そこで、24日齢のヘテロおよびホモ欠損マウス精巣のポリソーム画分のマイクロアレイ解析を行ったが、顕著な差は認められなかった。したがって、TPAPはポリ(A)鎖伸長以外の機能を有している可能性がある。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Two functional forms of ACRBP/sp32 are produced by pre-mRNA alternative splicing in the mouse2013
Author(s)
Kodaira, K., Takenaka, M., Kohno, N., Sugiura, S., Kashiwabara, S., and Baba, T.
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Journal Title
Biology of Reproduction
Volume: 88
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed
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