2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウス生殖細胞の雄性分化を制御するRNP複合体の解析
Publicly Offered Research
Project Area | The germline: its developmental cycle and epigenome network |
Project/Area Number |
23013011
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 敦 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (60467058)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生殖細胞 / RNA |
Research Abstract |
マウスNANOS2とNANOS3は同じファミリーに属する遺伝子であり、生殖細胞の発生に必須な役割を持つ。また、最近の研究により、NANOS2非存在下ではNANOS3の発現が上昇することによってその機能を補完していることが示唆されている。一方で、NANOSは3つのシステインと1つのヒスチジンに亜鉛イオンが配位したzinc finer motifを2つ連続して持ち、RNA結合タンパク質あると考えられている。実際、この連続した2つのzinc finger motifはin vitroにおいてRNAと非特異的に結合する能力を有することが明らかになっている。しかしながら、生体内における機能は未だに不明である。そこで、3つの内の一つのシステインをアラニンに変異させたNANOS2を発現するトランスジェニック・マウスを作製し、このトランスジーンを交配によってNanos2ノックアウトの遺伝的バックグラウンドに導入した。すると、NANOS3の発現上昇も起こらなかったことより、NANOS2とNANOS3のdouble loss-of-functionマウスが作製された。このマウスにおいては、Nanos2ノックアウトマウスよりもシビアな表現型が観察されたことから、NANOS3がNANOS2の機能の一部を担うことが示唆された。そこで、このシビアな表現型がNANOS3の消失によるのかを明らかにするため、Nanos2エンハンサーの下流でNANOS3を発現するトランスジェニック・マウスを作製し、このトランスジーンを交配によって上記のマウスに導入し、表現型のレスキューの有無を解析した。
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