2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射光コヒーレント回折によるバルクナノメタルのナノスケール電子密度・歪分布解析
Publicly Offered Research
Project Area | Bulk Nanostructured Metals -New Metallurgy of Novel Structural Materials |
Project/Area Number |
23102504
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 幸生 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00415217)
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Keywords | コヒーレントX線光学 / X線顕微鏡 / X線構造解析 / 金属ナノ組織解析 |
Research Abstract |
多結晶ブラッグ回折CXDM装置の開発および金属ナノ粒子を用いた装置の性能評価実験を行なった。具体的に、以下二つの項目について研究を推進した。 1.多結晶ブラッグ回折CXDM測定装置の開発 多結晶ブラッグ回折CXDM測定装置を大型放射光施設SPring-8の理化学研究所専用ビームラインBL29XULに構築した。具体的には、新たに3軸の回転機構と4軸の並進機構からなる多軸試料ステージとブラッグ回折強度を測定するためのCCD位置調整機構から構成される多軸回折計を設計・制作した。また、放射光X線マイクロビーム形成には、高分解能CXDM装置で開発したKirkpatrick-Baezミラーによる二次元集光システムを活用した。 2.銀ナノ立方体粒子を用いた多結晶ブラッグ回折CXDM装置の性能評価実験 テスト試料として銀ナノ立方体粒子を用いた多結晶ブラッグ回折CXDMの実証実験をSPring-8のBL29XULにて行なった。この粒子はこれまで前方回折CXDM測定を行ってきた実績のある試料である。この粒子を適当な濃度で超純水中に分散させ、マイクロピペットでSiNメンブレンに滴下、乾燥させた。マイクロビームX線を試料に照射することで、ブラッグ条件を満たすコヒーレントブラッグ回折強度パターンをCCDにて検出した。観測された(002)面、(022)面からのコヒーレントブラッグ回折パターンは、鮮明な斑点模様を有することから、入射X線のコヒーレンスが十分であることが確かめられた。また、斑点模様の形が、X線結晶構造解析の理論に矛盾しないものであったことから、開発した装置が多結晶ブラッグ回折CXDM実現のための十分な性能を有していることが分かった。また、コヒーレントブラッグ回折強度パターンに位相回復計算を実行した結果、粒子の電子密度分布像ならびに歪み分布像の再構成にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた研究を全て達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
開発したコヒーレントブラッグ回折測定装置を用いて結晶材料の転位および歪み分布のイメージング研究を遂行する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Coherent diffraction microscopy at SPring-8 : instrumentation, data acquisition and data analysis2011
Author(s)
R.Xu, S.Salha, K.Raines, H.Jiang, C-.C.Chen, Y.Takahashi, Y.Kohmura, Y.Nishino, C.Song, T.Ishikawa, J.Miao
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Journal Title
Journal of Synchrotron Radiation
Volume: 18
Pages: 293-298
DOI
Peer Reviewed
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