2012 Fiscal Year Annual Research Report
バルクナノメタルの回復・再結晶挙動とクリープ特性評価
Publicly Offered Research
Project Area | Bulk Nanostructured Metals -New Metallurgy of Novel Structural Materials |
Project/Area Number |
23102508
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高木 秀有 日本大学, 工学部, 講師 (40409040)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 微細結晶粒 / クリープ |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に,High Pressure Torsion(HPT)によって作製された微細結晶粒(結晶粒径320nm,530nm)を有するAl-1.0mol%Mg合金に対して,363K,373K,383Kにおける押込みクリープ試験を行い,クリープパラメータを評価した.得られた応力指数は4.7,クリープの活性化エネルギーは110kJ/mol,粒径指数は1.3となる.これらのクリープ特性値について,通常結晶粒材のクリープ理論(これまでの報告例)を用いて検証したが,どの変形メカニズムとも対応しないことが明らかとなった.したがって,微細結晶粒材の特有なクリープの発現メカニズムおよび変形メカニズムが存在すると考えられる. 第二に,当該材料のクリープ発現のメカニズムを明らかにするために,押込み荷重急変試験を実施した.この試験を実施すると,結晶粒内および粒界における転位運動の素過程を明らかにすることができ,その結果と上記のクリープ特性値を相互に検討すれば,当該材料がなぜ室温付近でもクリープ現象が顕著に生じるのかを理解することができると考えた.結晶粒径が530nmの試料に対して,373Kにおいて1.96Nの一定荷重で圧子を押し込むと,圧子下のクリープによって押込み変位は徐々に増加する.ある時間経過したのち,荷重を1.96Nから0.0980Nに急減すると,押込み変位は減少する.このときの減少は,測定系の弾性回復によって生じると考えられる.通常結晶粒材では,この弾性回復が生じた以降は変位の減少は見られない.しかし,微細結晶粒では,弾性回復が生じた後,さらに変位が時間とともに減少する挙動(Δu)が検出された.また,このΔu値は,結晶粒径が小さいほど大きくなる.このことは,Δuの発現原因が塑性変形によって生じたと考えられ,また,その塑性変形挙動が結晶粒径に依存するものであることを示している.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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