2012 Fiscal Year Annual Research Report
電気抵抗率の超精密測定による格子欠陥の静的・動的評価
Publicly Offered Research
Project Area | Bulk Nanostructured Metals -New Metallurgy of Novel Structural Materials |
Project/Area Number |
23102510
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上田 正人 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (40362660)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 電気抵抗率 / 異方性 / 格子欠陥 / その場測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノボルトメータと精密電流源を用い,電気抵抗率の精密測定システムを構築した。このシステムでは,自動で極性変換を行い,浮遊熱起電力を除去する。さらに,従来,風防ボックス中で行っていた室温近傍での静的な測定を,300.0 Kに保持したシリコーンオイル中で行い,測定温度の精度を向上させた。また,万能試験機において,電気的絶縁した引張試験の冶具を設計・作製した。このような測定系・装置を使用し,次の検討を行った。工業用純チタン板(JIS2種相当)を室温にて最大80 % まで冷間圧延し,圧延方向からθ = 0, 45, 90°方向に沿った電気抵抗率を精密に測定した。電気抵抗率は,全体として加工率と共に増加した。圧延方向に沿った(θ = 0°)300 Kにおける電気抵抗率は,真ひずみ0.8付近で一旦減少した後,増加に転じるなど,電気抵抗率に異方性が現れた。繰り返し重ね接合圧延(ARB)した純Ti板においても,電気抵抗率の面内異方性を確認しており,θ= 0°よりθ= 90°の方が高い電気抵抗率を示した。この傾向は冷間圧延の加工度レベルから生じていることが明らかとなった。また,引張変形している純Tiの電気抵抗率を推定する手法を確立した。引張変形中,電気抵抗のその場測定を行ったところ,弾性変形初期にわずかに低下し,その後,単調に増加した。所定のひずみ量まで引張変形し,除荷後,300 K(シリコーンオイル中),77 K(液体窒素中)で測定し,マティーセン経験式を利用することで,試料サイズを測定することなく電気抵抗率を推定した。降伏直後は,電気抵抗率にplateauな領域が現れた。その後,単調に増加し,破断直前には,急激に増加した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)