2012 Fiscal Year Annual Research Report
バルクナノメタルの特異なトライボロジー特性の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Bulk Nanostructured Metals -New Metallurgy of Novel Structural Materials |
Project/Area Number |
23102511
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30311020)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バルクナノメタル / トライボロジー / 高圧ねじり加工 / 微細結晶粒材料 / 摩耗量 / 摩耗変質層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、超強加工により作製したバルクナノメタルの特異なトライボロジー特性を解明することである。 バルクナノメタル(微細結晶粒材料)は、超強加工の一つであるHPT(高圧ねじり)加工により作製した。試験材料は、極低炭素鋼Fe-11ppmCで、種々の回転回数でHPT加工を行い、結晶粒サイズと硬さの異なるディスク試験片を作成した。摩耗試験では、ディスクにHPT加工した試験片、ボールに軸受鋼SUJ2または超硬合金の2種類の材質のものを用いて、Arガス雰囲気中の室温でボールオンディスク摩耗試験を実施した。また、摩耗変質層の微小領域の硬さを評価する必要が生じたので、共用設備として超微小硬度計を購入した。 その結果、相手材ボールが超硬合金の場合、HPT加工回転回数が増加するにしたがってディスク摩耗量は減少し、HPT加工の硬さ上昇により耐摩耗性が向上した。また、その比摩耗量はHPT加工材のビッカース硬さと相関関係があった。一方、相手材ボールがSUJ2の場合、摩耗試験時間が長くなると、HPT加工回転回数が増加してもディスク摩耗量に変化が無くなった。 無加工材のディスクの摩擦表面では、摩擦の影響を受けて結晶粒が約0.2μmまで微細化した摩耗変質層が生成し、摩擦表面付近の硬さがHPT加工材の同等レベルまで上昇していた。この摩擦による表面硬化により、相手材ボールがSUJ2で摩耗試験時間が長い場合においてHPT加工回転回数が増加してもディスク摩耗量に変化が無くなったと考えられる。 また、HPT加工材の摩耗試験後の摩擦表面では、HPT加工のサブミクロン結晶粒が摩擦ひずみにより傾斜するだけではなく、最表面でHPT加工組織がさらに微細化した摩耗変質層が生成することを見出した。この超微細摩擦表層は従来のバルク超強加工では達成しえなかった特異な組織である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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