2012 Fiscal Year Annual Research Report
局所相関の強い遍歴電子系における新しい量子臨界現象の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
23102716
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 真仁 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40334346)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 臨界価数ゆらぎ / 量子臨界現象 / 価数転移 / 価数クロスオーバー / 非フェルミ液体 / 重い電子系 / 量子臨界終点 / Ce、Yb系化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
CeおよびYbの価数転移の量子臨界現象の性質を明らかにするため、昨年度に引き続き理論研究を展開した。本年度は、臨界価数ゆらぎの量子輸送現象へ影響を理論的に解析するとともに実験との比較を行った。 特に、当該新学術領域研究の各実験研究との比較により、以下のような成果が得られた。 これまで、CeIrIn5の圧力下でCeの価数クロスオーバーが生じている可能性を理論的に指摘していたが、評価者の北岡教授の実験グループにより、In-NQR周波数の変化がP=2.1 GPa付近で変化することが観測された(M. Yashima et al., PRL 109 (2012) 117001)。この結果は、本研究の理論的予言を裏付けるものであり、Ce115系においても価数転移の臨界点がその物性に影響を及ぼしていることを指摘してきた本研究の成果を支持している。 また、YbRh2Si2においてYbサイトの4f電子と5d電子がフェルミ準位近傍のエネルギーバンドに寄与していることが、A01-002班の山上教授らの実験グループによる3d-4f共鳴光電子分光測定により観測された(A. Yasui et al., PRB 87 (2013) 075131)。この結果は、Ybのオンサイトの4f-5d軌道間のクーロン相互作用が物性に重要な役割を果たしていることを強く示唆しており、本研究における基本モデルである拡張周期アンダーソン模型の妥当性が当該新学術領域の実験研究により明らかにされた意義がある。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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