2012 Fiscal Year Annual Research Report
重い電子系における量子臨界点由来の新奇超伝導相の核磁気共鳴法による研究
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of Heavy Electrons and Their Ordering |
Project/Area Number |
23102717
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川崎 慎司 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80397645)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 重い電子系 / 量子臨界点 / 核磁気共鳴 / 低温 / 高圧 / 超伝導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、重い電子系における反強磁性磁気「量子臨界点」に着目し、低温高圧下核磁気共鳴(NMR)/核四重極共鳴(NQR)測定を通じて量子臨界点と非従来型超伝導の関連を調べている。平成24年度は、本研究計画最終年度であり、重い電子系反強磁性超伝導体CeRh0.5Ir0.5In5の低温高圧下NQR実験を通じ、量子臨界点と量子臨界点における超伝導ギャップ構造に注目し、その圧力相図を完成させた。 具体的には、CeRh0.5Ir0.5In5におけるIn-NQRスピン格子緩和時間(T1)の常伝導状態の温度依存性から、反強磁性揺らぎが絶対零度に向けて発散する圧力、つまり量子臨界点がPc=1.2GPaであることがわかった。同時に、圧力下のTc測定から、CeRh0.5Ir0.5In5の超伝導転移温度が量子臨界点で最大値Tc=1.4Kを示すことがわかった。これは量子臨界点近傍の反強磁性スピン揺らぎがTc上昇を助けていることを示す直接的な証拠である。 また、3He冷凍機を用いた極低温のT1測定から、量子臨界点で超伝導ギャップ内の残留状態密度が極めて大きくなることを見出した。 このことは、量子臨界点でTc最大となる超伝導は、ギャップレス超伝導であることを示す。このようなTc増大を伴うギャップレス超伝導は、過去に知られている超伝導現象では説明出来ない全く新しい現象であり、重い電子系超伝導発現機構解明に向け、新たなきっかけを与える重要な成果であると考えられる。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)