2012 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカルな欠陥に局在するマヨラナ・ゼロモードと指数定理
Publicly Offered Research
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
23103502
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
福井 隆裕 茨城大学, 理学部, 教授 (10322009)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マヨラナ・フェルミオン / トポロジカル超伝導体 / 指数定理 / ベリーの位相 / 渦糸 |
Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカルな欠陥に局在するマヨラナ・ゼロエネルギー束縛状態を、指数定理の立場から厳密に理解することを目的としている。主に4つの成果を上げることが出来た。 1.トポロジカル絶縁体上に配置されたs波超伝導体のπ接合系において、面内に磁場をかけることによって、通常では無視出来る状態が、全体のゼロエネルギー・マヨラナ状態に寄与することを指数定理を用いて示した。指数定理は、通常は秩序変数の無限遠での振る舞いが動径にしか依存しない言わば「丸い」場合に適用されることがほとんどであるが、この問題では、むしろx,yに依存した「四角い」場合に極めてうまく適用出来ることが分かった。 2.物性系においてマヨラナ・ゼロエネルギー状態を議論する場合には、通常電磁場は無視している。しかし、ディラック系などではこの効果は無視出来ず、量子異常として指数定理に寄与しうる。様々な次元において一般的な超伝導の対称性を持つ系の点欠陥に対して、対応する(一般には非可換)ゲージ場を考慮して、指数定理を構築した。その結果、ゲージ場からの寄与はうまく打ち消し合って、ゲージ場を無視したときと同じ結果が再現できることが示された。 3.球対称なトポロジカル絶縁体を詳細に調べた。特に有限サイズ効果に起因して、ゼロエネルギー状態がどのように消滅するかを調べた。 4.マヨラナ・ゼロモードとは直接は関係ないが、これまで培ってきた指数定理の様々なテクニックの応用を試みた。すなわち、一般的な連続模型に対して、バルク・エッジ対応、すなわちバルクのトポロジカルな性質を特徴付けるチャーン数と境界がある系のエッジ状態の数の間の対応関係を、指数定理を用いて厳密に証明した。これは、上記の課題1.の「四角い」境界条件での成功を応用した成果である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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