2012 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム3中のトポロジカルオブジェクトの検出と制御
Publicly Offered Research
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
23103509
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 豊 京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (60205870)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 周波数分解MRI / 超流動ヘリウム3 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、(イ)周波数分解MRIの測定技法を確立する、(ロ)超流動ヘリウム3のテクスチャーとトポロジカルオブジェクトの可視化を行う、(ハ)流れ場の可視化、(ニ)超流動ヘリウム3のテクスチャー内部に現れるトポロジカルオブジェクトの生成と消滅や流れ場等による変形のダイナミクスならびにテクスチャー制御の可能性などについて研究、という大きな目標を立てた。(イ)については平成23年度中に紆余曲折の結果、計画当初に考えていた方法論を凌駕する新方式を考案するに至り、それまで開発してきた旧方式を捨てて新方式によるデータ測定スキームを開発し、データ解析のためのプログラムをゼロから開発した。コンピューターシミュレーションの結果、新方式は充分な性能を発揮することが示された。それと並行して100ミクロンのギャップを持つミクロン精度に平坦な平行平板間に閉じ込められた形状の超流動ヘリウムからNMR信号を検出するためのサンプルセルを開発した。平成24年度には実地テストを行い、10mKに冷却した常流動状態にある液体ヘリウム3から、100ミクロンという微小空間に閉じ込められているものの、充分なSN比の信号を検出することに成功し、さらに、試料空間内の静磁場の空間分布を静磁場の十万分の一の精度で測定し可視化することに成功した。このような低い温度での周波数分解MRI測定の実施は世界初の快挙である。その後、さらに冷却して超流動ヘリウム3のテクスチャーによる共鳴周波数分布を実測する(ロ)の実証実験を開始したが、その直後に冷凍機に重篤なトラブルが発生して冷凍運転の継続が不可能になってしまった。平成24年度内になんとか修復して、冷却性能を回復することはできたものの、時間切れでさらなる成果をあげるには至らなかった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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