2012 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル絶縁体/超伝導におけるメゾスコピック効果の理論
Publicly Offered Research
Project Area | Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries |
Project/Area Number |
23103511
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井村 健一郎 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (90391870)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / ベリー位相 / スピン接続 / ナノ構造 / ナノ粒子 / ナノワイヤー / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカル絶縁体表面に現れる「保護された」そして理想的にはギャップレスの表面状態について、試料の形状や有限サイズの効果が及ぼす影響を明らかにした。とりわけ、そのような効果が顕著に現れる円筒状、あるいは球状の試料の場合に着目し、曲がった表面においてトポロジカル絶縁体の表面状態がある種の「活性」を呈することを示した。数学的に言うと、スピン接続の効果。具体例として、円筒状トポロジカル絶縁体の表面状態はある意味で、ソレノイド(πフラックス)を伴う。これと同様に、球面上の表面状態においては実効的にモノポール(磁気単極子)が誘起される。 トポロジカル絶縁体の表面状態に関しては、よく「スピン運動量ロック」(その結果が、運動量空間におけるヘリカルなスピン構造)ということが言われる。一方、これとは別の「スピン表面ロック」という現象もある。これは、いわゆるスピン接続の帰結であるが、円筒表面において顕著に起こり、表面状態にいる電子のスピンが円筒の各点でその接平面内にロックされるという現象である。スピン運動量ロックとは対照的にスピン表面ロックは実空間で起こる。 さて、いわゆる保護されたギャップレス状態にも有限サイズのギャップは存在する訳だが、スピン表面ロックの結果、その振る舞いがスラブ状、円筒状、球状という試料の(トポロジカルな)形状により定性的に変わってくる。本研究の結果、スラブ状vs.円筒状の試料の場合、有限サイズギャップの大きさはシステムサイズの関数として、それぞれ指数関数的vs.代数的に減衰することが明らかになった(これは重要な違いである!)。また、球状のトポロジカル絶縁体の場合、表面状態の波動関数はいわゆる「モノポール調和関数」の形をとり、また有限サイズのエネルギースペクトルはランダウ準位に似た特殊な量子化と縮退の仕方をすることが示された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)