2012 Fiscal Year Annual Research Report
水素化物および水の超高圧縮相と金属転移:GW近似計算
Publicly Offered Research
Project Area | Earth Science Based on the High Pressure and Temperature Neutron Experiments |
Project/Area Number |
23103702
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
長柄 一誠 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任教授 (10135676)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | バンド計算 / GW近似 / 圧力誘起金属転移 / 水素化物 / 高圧物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
構造予測においては成功例が多い第一原理シミュレーションであるが、通常行われる交換相関相互作用に対する局所密度近似(LDA,GGA)のもつ欠点故に、バンドギャップが正しく評価出来ず、金属-非金属転移の評価には使えない。そこで、最近有用性が明らかになって来た準粒子モデルに基づく第一原理計算(GW近似計算)を用いて、バンドギャップの圧力変化のより信頼性の高い評価を行い、圧力誘起金属転移が報告あるいは予想されている水素化合物と水を調べ、より信頼出来る金属転移圧評価を目指した。結果はこれらの物質の圧力誘起金属化実験に対して、指針となるデータとして役立つ。 2011年に、希土類水素化物 YHx、特に YH3について、圧力誘起金属転移の新しい実験が大阪大等で行われ、また内外で理論的な予測構造も報告された。この物質のGW近似に基づく計算結果は、予測されている20数万気圧での金属化という結果よりずっと高い転移圧になるという、大阪大の結果を支持するものであった。(50th EHPRG会議 Thessaloniki, GREECEで発表)。これに続いてより複雑な構造に対するGW計算を実行するため、連携研究者である鳥取大学の小谷岳生氏にGWコード(Ecaljコード)の並列化を進めて頂き、高速計算が可能になった。それを用いて、ヨウ素の圧力誘起金属転移を調べると、通常のLDA,GGAの12万気圧程度でバンドギャップが閉じ金属化するという結果を修正し、実験値に近い約20万気圧でバンドギャップが閉じるという結果を得た。他のコードとの比較を行い、信頼性のチェックが終われば結果を公表する。コード改良の結果かなりの高速計算が可能になり、今まで以上に複雑な構造が扱えるようになって来たため、水をはじめ多くの構造が提唱されながら、金属転移圧が依然としてはっきりしない金属水素の金属転移圧予測を今後めざす。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|