2012 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理計算による地球マントル物質に及ぼすプロトン存在の影響に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Earth Science Based on the High Pressure and Temperature Neutron Experiments |
Project/Area Number |
23103705
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 知之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40298196)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地球マントル物質 / 第一原理計算 / プロトン / 高圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度に行った,地球上部マントルの主成分であるMg2SiO4の高圧力下での弾性的性質に対するプロトン含有の影響に関する検討に加えて,実在の地球マントルの組成により近い状態を考えるために,Mgシリケートに地球マントル中に存在すると考えられている,他の元素を添加したモデルを構築し,それらの物質における欠陥形成機構を第一原理計算により検討した.添加する元素としては,Fe,Al,Caなど地球マントル中における存在比が高いと考えられている元素を添加したモデルの計算を進め,特に,Fe3+やAl3+等を添加する場合については,Mg2+,Si4+とは価数が異なるため,例えば,Si4+とAl3+の置換を考える場合には,電荷補償のために酸素空孔を伴うモデルが,またMg2+とAl3+の置換の場合には,Mg2+空孔を伴うモデルの構築が必要となるので,それぞれの元素添加に応じて空孔を導入したモデルを構築し計算を行った.特に,下部マントルの主成分であるMgSiO3ペロブスカイトに対するAl3+を含有する場合のプロトン含有量について詳細な検討を行った. 以上,本年度の研究について総括すると,第一原理計算法を用いて,<Mgシリケート>+<マイナー元素>+<プロトン>の高温・高圧下での弾性的性質を評価し,そして,それらのマイナー元素の存在による地球マントル物質の結晶構造相転移の変化を評価し,最新の高温・高圧実験との比較ならびに地震波データから得られる地球内部の三次元構造との対応について検討を進めた. 本研究における研究成果は,国内の日本地球惑星科学連合大会において発表すると共に,Dubunaで開催されたMSSMBS2012における招待講演ならびにSan Franciscoで開催されたAmerican Geophysical UnionのFall Meetingにおいて発表した.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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