2011 Fiscal Year Annual Research Report
ワニエ関数を軸とする準粒子自己無撞着法の新しい展開
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Design through Computics: Complex Correlation and Non-equilibrium Dynamics |
Project/Area Number |
23104510
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小谷 岳生 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (60283826)
|
Keywords | 電子状態計算 / 混合基底 / 二原子分子 / GW近似 |
Research Abstract |
平成23年度においては、計画の第一段階として「補強された平面波基底とマフィンティン基底関数を同時に用いるバンド計算の方法(PMT法)」を理論的・実装においても改良・整備した。そして2原子分子に適用し、このような系においても非常に効率よく解くことが可能であることを示した(2編を投稿した)。PMT法は、いわゆる全電子計算での混合基底の方法であり、その基底関数に、複数種の「augmentされた基底関数」を用いる点に特徴がある。この方法に関して論理的に明瞭なフォーマリズムを定式化した上で、改良・改善を加え、GGA(PBE)汎関数もWhite and Birdの方法で組み込んだ。そして等核二原子分子に関して多数の計算を行い、その問題点や有用性も明らかにした。重要な結論は、数値的にかなり精度の高い計算が、MTOを同時に用いることによって「2~4Ry程度のAPW基底でおこなえること」を示したことである。 開発した PMT 法(GW 法も含む)のパッケージ、計算結果や情報は、http://pmt.sakura.ne.jp/wikiにおいてwikiを用いて公開している。また、http://github.com/tkotani/ecaljにおいてはgiithubをもちいて、コードのバージョン管理を行っている。まだまだ不完全であるが、将来的には、計算データや、計算手法の詳細に至るまでを統合し情報集積をおこなっていきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学の雑務が多く研究に割く時間がなかなかとれないこと。計算のフォーマリズムの定式化、コーディングとテストに想定以上に時間がかかった。また、分子計算特有の計算の困難さに関しての知識不足で、それを扱う方法を知るのに時間がかかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
GW近似の異方性の取り扱いの研究を進めている。これがきちんと動くことをチェックして論文にすること、そして、さらにはワニエ関数的な手法でQSGW法をPMT法のもとで動くようにすることが基本的目標である。これを基礎として、応用の方向を考えていく。
|
Research Products
(3 results)