2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物磁性体のテラヘルツ・マグノン生成とその空間伝播観測
Publicly Offered Research
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
23104706
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 琢哉 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40451885)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | スピントロにクス / マグノニクス / スピン波 / 超短光パルス / 逆ファラデー効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の情報社会を支えるエレクトロニクスでは,電子の持つ電荷の自由度やその流れ(電流)が情報を担っている.しかし電流に伴う発熱が避けられず,デバイスの高密度化が限界に達しつつある.一方,電子が持つもう一つの自由度であるスピンの利用技術(スピントロニクス)が盛んに研究されている.個々の電子スピンは方向をもち,ある軸の周りに歳差運動する.その集団運動(スピン波)は,電流と違って原理的には発熱の問題がないことから,新しい情報媒体として期待されている.この新規情報媒体を社会が共有する第一歩として,スピン波の伝播に関する制御技術を確立する意義は非常に大きい. 申請者らは,アンテナや電極を用いずにスピン波を誘起する全く新しい手法として,約100 fsのパルス幅を持つ円偏光パルスを磁性体に集光することによって非熱的にスピン波を誘起することを着想した.そして実際に,光で誘起したスピン波の実時間・実空間観測をした.具体的には,まずフェリ磁性体の希土類-ビスマス-鉄ガーネット単結晶表面に高強度の円偏光パルス(ポンプ光)を直径50μmの円形スポットに集光すると,逆ファラデー効果によりスポット内でスピン歳差運動が始まる.その様子をポンプ-プローブ磁気光学測定する.また歳差運動は,ポンプ光のスポット外にもスピン波として二次元的に伝播していく.ポンプ光に対するプローブ光の相対位置を試料上でスキャンすることで,スピン波伝播を時間・空間分解して観測した.我々は「ポンプ光パルス照射によって誘起されたスピン波の初期状態の波数分布は,光パルスの空間強度分布のフーリエ変換によって決まる」というモデルを考案し,実験結果と数値計算のほぼ完ぺきな一致を確認した.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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