2012 Fiscal Year Annual Research Report
フェルミ原子ガス超流動と励起子ポラリトン超流動で実現する共鳴型超流動の統一的理解
Publicly Offered Research
Project Area | Optical science of dynamically correlated electrons in semiconductors |
Project/Area Number |
23104723
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大橋 洋士 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60272134)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | フェルミ超流動 / クーパー対 / 異種粒子結合 / 強結合効果 / 励起子ポラリトン / BCS-BECクロスオーバー / 低次元効果 / KT転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度は、共鳴型超流動における、共鳴ボソンの凝縮粒子数への寄与を調べるため、結合フェルミオン・ボソンモデルを用いて、narrow resonance (フェルミ粒子と共鳴ボソンの結合が弱い場合:励起子ポラリトン凝縮に相当)から、broad resonance (フェルミ粒子と共鳴ボソンの結合が強い場合:フェルミ原子ガス超流動に相当)までを統一的に調べた。励起子ポラリトン系を念頭に2次元系を考え、KT転移温度の相互作用依存性をガウス揺らぎの理論を援用し、弱結合から強結合まで明らかにした。相互作用を2次元s波散乱長でスケールすると、超流動転移温度はresonanceの詳細にほとんど依存しないが、 転移温度におけるボソンの種類は大きく依存する: 共鳴ボソンが存在しないBCSモデルでは、相互作用が強くなるにつれ、フェルミ粒子が支配的な領域から安定化したクーパー対が支配的となる領域へ単純に移行するのに対し、共鳴型超流動の場合、一旦は安定なクーパー対が形成されるものの、強結合領域では、安定な共鳴ボソンが支配的となる。narrow resonanceの場合、クーパー対は中間結合の狭い領域でのみ支配的となっているが、これは、narrow resonanceで相互作用が強くなるためには、共鳴準位とフェルミ準位が近づく必要があるため、引力相互作用が強くなることと共鳴ボソン数の増大が同時に起こることに因るものである。中間結合領域での安定なクーパー対の割合は、3次元の場合と比べると大きく、これは2次元性による超流動揺らぎの発達の現れである。尚、研究では、ここで用いた強結合理論の妥当性を検証するため、擬2次元フェルミ原子気体で近年観測された1粒子励起スペクトルを同じ近似レベルで計算、unitarity limitで観測された擬ギャップサイズを定量的レベルで再現できることを確認している。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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