Publicly Offered Research
生物活性化合物の多くは窒素原子を含み,窒素原子の存在が機能の発現に関係することから,炭素―窒素結合形成反応の開発も有機合成化学においては非常に重要である.本研究課題では,申請者らが以前見出したチタン化合物を用いた「窒素固定化反応」を,遷移金属触媒による「C-H結合活性化法」と組み合わせることにより「C-H結合の活性化」を伴う「窒素固定化反応」の開発を目指し検討を行なった.今年度の検討結果において,これまでに報告されているPd, Cu, Auなどの金属錯体による「C-H結合活性化法」と,申請者らの開発したチタン化合物を用いた「窒素固定化反応」によって生成する「チタンー窒素錯体混合物(Ti-N錯体)」とを組み合わせ種々検討したが,目的の達成は困難であった.そこでより研究の根源に立ち返り,1)新たな「C-H結合の活性化」の開発,及び2)新たな「窒素固定化反応」の開発,に焦点を絞り研究を行った.その結果,新たな「C-H結合の活性化」法として,「Rh触媒を用いたメタラサイクルの形成をきっかけとするC(sp3)-H結合活性化法の開発」及び「Ir触媒を用いたC(sp3)-H結合のシリル化を経由する直接的カルボキシル化」の二つの新規反応を開発することができた.一方,新たな「窒素固定化反応」に関して,Ti錯体と同族のZr錯体がTiと同等以上の「窒素固定化能」を持つことを見出しすことができた.Zi(IV)錯体はTi(IV)錯体よりもルイス酸性が低いため空気中で取り扱いやすく、またより穏やかな条件で窒素固定化反応が進むこと,及び同族ではあるがTiより後周期に属するZrの方が他の金属試薬とのトランスメタル化能力が高い可能性もあり,その性質に大変興味が持たれる.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012
All Journal Article (13 results) (of which Peer Reviewed: 13 results) Presentation (6 results) (of which Invited: 1 results)
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