2011 Fiscal Year Annual Research Report
規整表面上に精密集積した金属錯体触媒の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105503
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 賢二 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (10333593)
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Keywords | 触媒調製 / 金 / イソシアニド / ロジウム / 水素化 / メソポーラスシリカ / 単分子層 |
Research Abstract |
触媒調製の新しいアプローチとして、構造が規整された表面上に分子レベルで精密に金属錯体を集積することによって特異かつ有用な触媒反応場を構築する手法の開発を試みた。今年度は、金表面上における高密度なジイソシアニドーロジウム錯体単分子層の形成とその触媒機能、および、メソポーラスシリカ表面上における表面選択的有機修飾手法について主に検討を行った。 金表面を4,4-terphenylenediisocyanide(TPDI)および[Rh(CO)2Cl]2の溶液に段階的に浸漬することにより高密度なRh-ジイソシアニド単分子層を得た。触媒の構造解析および導入されたRhの定量は、XPS、IR-RAS、ICP-MSなどにより行った。このようにして得られた単分子層は、炭素-炭素不飽和結合の水素付加反応に高い触媒と回転数と繰り返し利用性を示した。特に、α,β-不飽和カルボニル化合物を基質とした際には、対応する均一系触媒条件よりも高い選択性で1,4-還元体を与えた 界面活性剤を細孔内部に有するas-synthesized MCM-41をトリメチルシリルトリフラート(Me3SiOSO2CF3)で処理することにより、外表面選択的なシリル化を達成した。従来多用される他のシリル化試薬を用いた場合には、選択性や修飾効率に点で問題があることが明らかとなった。本研究では、固体29Si NMRなどの各種分析種法を用いて有機修飾に関する詳細かつ定量的な構造解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書記載の「研究の目的」に相当する研究の実施および成果の取得が行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに、表面上に隣接する金属錯体間での協奏的な触媒機能を鍵とする触媒反応の開発、および、メソ細孔空間内部に精密に形成した金属錯体の集積体を鍵とする触媒反応の開発を実施する。
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