2012 Fiscal Year Annual Research Report
極性ナノ空間場による超不安定分子の反応制御法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105511
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾中 篤 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (10144122)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ゼオライト / 細孔 / 不安定小分子 / 安定保持 / アルジミン |
Research Abstract |
反応性に富むホルムアルデヒドなどの不安定小分子がゼオライト中の金属カチオンに吸着することにより,不安定分子を保護することなくその形態のままで安定に保持しつづける研究を行ってきた.その研究展開として,常温では単離不可能な超不安定(中間体)分子種を,ゼオライトの極性ナノ細孔中で発生させて安定に保持し,常温でその化学種が存在していることを分光化学的に確認できるかについて探索した. そこでまず,不安定な分子種の安定化に必要なゼオライトの骨格構造,交換カチオンの種類などの予測化を計算化学を用いて行った.N-無置換アルジミンを得るためにアルデヒドとアンモニアから誘導する方法について,Gaussian 98を用いて構造最適化およびシングルポイントエネルギーを計算した結果,脂肪族および芳香族アルデヒドのどちらを出発物とした場合も,N-無置換アルジミンは出発物よりも5-6 kcal/mol不安定であった.すなわち,N-無置換アルジミンを安定物として得ることは困難なことを意味した.一方、N-メチルベンズアルジミンは原系よりもエネルギー的に安定であり,実際にN-メチルベンズアルジミンは常温・常圧で単離可能な化合物であった.次にゼオライトの細孔骨格格子を切り出した10Tモデルをつくり,N-無置換アルジミンを吸着させた状態を計算した結果,アルデヒドとアンモニアの原系とほぼ同じ状態になることが示され,アルジミン体の確認が可能であることが示唆された.しかし,実際にゼオライトにベンズアルデヒドとアンモニアを吸着させてみたが,固体13-C NMRのスペクトルがブロードで,アルジミン体を確認するまでは至らなかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)