2012 Fiscal Year Annual Research Report
クラスター骨格の柔軟性を活かした新規結合形成反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105514
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高尾 俊郎 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00313346)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ポリヒドリドクラスター / B-C結合形成反応 / 三重架橋ボリレン / 光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
三核クラスター平面の両面に配置された配位子間のカップリング反応に関して,本申請研究では炭化水素配位子とヘテロ原子との結合形成反応について注目し,研究を遂行した。 三重架橋ボリレン配位子を有するエチン―エチリデン錯体1の加熱反応では、エチン配位子へのエチリデンの挿入によるジメタロアリル骨格の形成と,続くC3環骨格を経由する異性化,さらにRu-Ru結合の開裂を伴った三核平面の上下にまたがるB-C結合の形成によってcloso型ボラルテナシクロペンテニル錯体2が得られることを明らかにした. 1とブタジエンとの反応ではホウ素と炭素からなる3員環を有する新規錯体3aが低収率ながら得られた.フェニルアセチレンを用いて反応条件を検討した結果,紫外光の照射では3bは全く得られず,フェニルアセチレン錯体4に可視光を照射することで選択性良くBC2三員環を有する錯体3bが得られることを見出した。 錯体3bのX線構造解析より3員環内のB-C結合は1.64 Åと長く,またDFT計算よりB-C結合の次数が0.5と小さな値であることが明らかとなった.これはB-C結合がホウ素と炭素のp軌道によって構成されていることを示唆するものであり,B-C結合のs性の低さは3員環中の炭素のシグナルが四重極子核のホウ素と結合しているにもかかわらず鋭いシグナルとして観察される事実とも一致する. また,クラスター上での炭素―窒素結合の形成を期待し,三重架橋イミド配位子を有するアルキン錯体の加熱反応,酸化反応について検討したが,三核平面を跨るC-N結合形成反応を見出すことはできなかった。一方で三重架橋スルフィド配位子を有するヒドリドクラスター6はベンゼンと反応し,三重架橋ベンザイン錯体7を定量的に与え,プロトン化によって得られるカチオン性錯体8が水素雰囲気下で水と反応しフェノールを生成することを明らかにした.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)