2012 Fiscal Year Annual Research Report
有機骨格包含型金属触媒によるπポケット反応場創出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105525
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 誠 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40273601)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 合成化学 / ルイス酸 / ホウ素 / 触媒 / 構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属触媒は工業的に重要で、その性質を高度に制御することができれば大きな貢献をもたらすことができる。本研究において、有機骨格で金属種を包み込む形状の金属種を合成し、その有機骨格を様々に変化させることで従来知られていないタイプの触媒を創成することに成功した。 1)かご型錯体基幹部分への多種元素導入 炭素より大きな元素として、ケイ素およびゲルマニウムを導入し、その置換を様々に変化させた。その結果、緻密に制御されたルイス酸を多様に合成することに成功した。配位子解離速度、量子化学計算により緻密に物性を評価することに成功した。 2)金属部位検討 基幹部分の立体的サイズアップが実現でき、ホウ素よりも大きな金属として、アルミニウムを導入した。その結果、多核錯体がえられ、ルイス酸触媒としてシリルエノラートによるアルドール反応に用いることに成功した。また、光物性の評価を行い、予想よりも大きな長波長シフトの発現と、大きなストークスシフトを確認した。 3)基幹部分にπ電子効果誘起部位の導入 基幹部分に電子効果誘起部位を導入し、遠隔電子効果による金属性状制御を行った。これは、特異な光物性を示し、その性状を今後さらに明らかにすることができれば、きわめて有望な化学種である。 4)有機骨格に芳香環を配し、金属周辺を芳香環で囲った形の金属錯体を合成することに成功した。これはπポケットとよぶことのできる新しい反応場を有しており、芳香族化合物を優先的にとりこみ、反応させる性質を有することを明らかとした。また、取り囲む芳香環のサイズを大きくすることで、その選択性を向上させることに成功した。 以上の様に、有機骨格を多様に変化させることで、それに囲まれている金属中心が示す性状を多様に変化させることに成功した。このように、有機骨格合成が反応場を制御できるテンプレートを提供できたことは、金属触媒の分野において意義深い。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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