2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質反応場を基盤とする生体分子・有機金属ハイブリッド物質変換システムの構築
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105530
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松尾 貴史 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (50432521)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | ホベイダグラブス錯体 / キモトリプシン / 有機金属酵素 / メタセシス / チオールサブチリシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ホベイダグラブス錯体を導入したキモトリプシンが触媒できる反応のタイプと触媒活性向上の方法について検討した。その結果、開環メタセシスポリマー化(ROMP)やクロスメタセシスに対しては反応性が低く、閉環メタセシス等の基質1分子が関与する反応に特化した触媒であることが明らかとなった。また、中性付近での触媒活性の向上に塩化カリウム(KCl)などの塩化物塩の添加が有効であることが分かった。この理由について検討するために、紫外可視吸収スペクトルにより反応を追跡したところ、KCl非存在下では、約2時間の半減期で、ホベイダグラブス錯体に特徴的な370nm付近の吸収バンドが消失することが観測された。また、観測開始後1時間経過したときにKClを添加すると、吸収バンドの回復が見られた。これらの結果は、塩化物イオンが関与する平衡反応が存在しており、中心金属上で配位する塩化物イオンの解離であると考えられる。したがって、水系メタセシスにおいて、中心金属上で配位する塩化物イオンの解離を抑制することが必須であることを示している。従来、低pH条件下での触媒活性の向上が知られているが、本研究の結果は、塩化物イオンの濃度を維持さえすれば、錯体の不活性化を抑制しながら触媒反応を行うことが可能であるということを示しており、より穏やかな条件下での反応、あるいは酸に敏感な基質を用いた反応に対して実用的な指針が得られたと考えられる。 また、チオールサブチリシン活性部位の構造的特徴に基いたシステインおよびヒスチジン配位の銅錯体の構築を行い、吸収スペクトルおよび電子スピン共鳴スペクトルにより、タイプII型の配位構造が形成されていることが分かった。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
-
[Journal Article] Inorg. Chem.2013
Author(s)
Ryu Nishimura
-
Journal Title
Relationship between the Electron Density of the Heme Fe Atom and the Vibrational Frequencies of the Fe-Bound Carbon Monoxide in Myoglobin
Volume: 52
Pages: 3349-3355
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-