2011 Fiscal Year Annual Research Report
大環状型とクリプタンド型のリン配位子を用いた多核錯体の合成とCO_2との反応
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105533
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水田 勉 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70221603)
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Keywords | 大環状4座リン配位 / 6座リン配位子 / アミノホスフィン / ビスフェノール / トリフェノール |
Research Abstract |
CO_2に3当量のH_2を反応させ、メタノールと水に変換することは,CO_2を炭素資源として循環させるられるだけでなくエネルギーの貯蔵手段としても重要な研究課題である。この反応は、発熱反応であるので自発的に反応を進められる可能性を秘めており、その鍵は複数個の水素分子とCO_2をいかに効率よく反応させるかにある。本研究では、CO_2を2当量以上の水素で還元することを目的として、2つおよび3つの低原子価金属を内包した大環状型およびクリプタンド型のリン配位子錯体を合成し、各々の金属上で水素を活性化する。これにより生じたポリヒドリド錯体とCO_2を反応させることで、従来法では、ギ酸(HCOOH)に止まっている還元反応を、ホルムアルデヒドH_2C=Oまたはメタノールを生成できる反応に改良する。 大環状4座リン配位子に関しては、金属を導入すると生成する錯体の溶解度が極めて低かったので、溶解度向上を期待して、ビスフェノールユニットのアルキル基を長鎖アルキルとしたものも、新たに合成した。また、合成に関してもビスフェノールユニットの保護と脱保護が煩雑だったので、より簡便な合成ルートを新たに開発した。この方法では、アミノホスフィンを経てビスフェノールと反応させる。全収率は若干低下したが、ビスフェノールを基準とした収率は、向上した。 3分子の水素を活性化できる3核錯体を合成するため、6座配位子の合成を目指した。トリフェノールに対して3当量のジホスフィンユニットをを反応させると、リン上がC1のものを用いた場合は、ポリマーと思われる不溶性の生成物となったが、アミノ基となったもの用いた場合には6座配位子が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生成する錯体の溶解度が極めて低く、目的の反応を試すことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
溶解度を向上させることのできる置換基を導入することで問題が解決したので、これを用いた錯体合成と、反応を調べていく予定である。
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Research Products
(3 results)