2012 Fiscal Year Annual Research Report
大環状型とクリプタンド型のリン配位子を用いた多核錯体の合成とCO2との反応
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105533
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水田 勉 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70221603)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ボラン / CO2 / ボロキシン / 大環状配位子 / 2核金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
CO2の還元反応は、現在盛んに研究されているが、そのほとんどはギ酸までにとどまっており、ギ酸をさらに還元しメタノールに変換できる系は限られている。通常還元には、金属ヒドリド種が用いられる。本プロジェクトでは、複数の金属ヒドリド種が1つのCO2分子と相互作用できる反応場を構築することによって、CO2をメタノールあるいはその等価体へ誘導することを目指した。 大環状4座ホスフィンに2つのPt(PPh3)ユニットを内包させた錯体に、水素気流下でPPh3の引抜剤としてBH3を過剰に加えた.その結果、反応溶液の31P{1H}NMRの測定からPPh3- BH3の付加体と共に目的のヒドリド錯体の生成を確認した. このヒドリド種の単離を試みたが、分解反応が進行することが判ったため、単離することなくCO2との反応に用いた。H2気流下で、同位体ラベルした13CO2を加え、反応を13C NMRで追跡すると、13CO2の主な還元生成物としてメトキシ基の生成を示すquartetが51.3ppmに観測された。ここで得られたメトキシ化合物は、各種スペクトルよりトリメトキシボロキシンであるとわかった。ここで、共存する過剰分のBH3を減らすとトリメトキシボロキシンに代わってホルメートに帰属できる13C NMRシグナルが164.0ppmに観測された。このことは、大環状4座ホスフィン白金錯体は、ギ酸生成のみを担っており、生じたギ酸をBH3がトリメトキシボロキシンに変換していることを示している。種々反応条件を変えた結果、金属錯体に対して、10当量のメトキシ基が得られた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)