2012 Fiscal Year Annual Research Report
反応系中で発生する活性種による毒性試薬の代替とその利用
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105535
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浜崎 昭行 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00515174)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 代替触媒 / ニッケルカルボニル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、金属酸化物担体から発生する金属カルボニル類似活性種を用い、新規有機反応の開発へつなげることを目的としている。この活性種は、密閉された耐圧容器内で一酸化炭素を加圧し、かつ加熱条件下において発生し、加圧および加熱を解くことで速やかに分解することが期待される。そのため活性種は密閉容器内で反応中のみ発生することから、毒性の高い活性種であっても安全に取り扱いできるという利点がある。 酸化ニッケル担持金ナノ粒子(Au/NiO)を用い、それから生じるニッケルカルボニル類似活性種の利用について試みた。ニッケルカルボニルは有機合成上の有用性を認められながらも、極めて高い毒性のために使用を避けられている物質である。Au/NiOを触媒とし、一酸化炭素加圧下において臭化アルケニルのアルコキシカルボニル化反応を行ったところ、反応の進行は確認されたもののその効率は期待したほど高くなかった。そこで触媒の調製法を変更し、ニッケルと金が合金化したもの(Au-Ni)を用いて反応を行うと、最適化した条件下で最高86%の収率で目的物が得られた。臭化アルケニルの芳香環上に置換基を有する基質で検討を行うと、電子供与性置換基を持つ基質や、立体障害となり得る位置に置換基を導入した基質でも、良好な収率で目的物が得られた。また、求核剤としてエタノール以外の脂肪族および芳香族アルコールや、アミンを用いた場合にも効率よく反応が進行した。臭化アルケニルのアルコキシカルボニル化反応は、Coreyらによって均一系ニッケルカルボニルを用いて報告されているため、Au-Niを用いた場合にも同様の反応が進行したことは、反応系中でニッケルカルボニルに類似した活性種が発生していることを示唆している。これらの研究成果は、Au-Niがニッケルカルボニルの安全な代替触媒となり得ることを示す重要な知見である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)