2012 Fiscal Year Annual Research Report
シクロアルカンC-H結合高効率活性化法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecule Activation Directed toward Straightforward Synthesis |
Project/Area Number |
23105539
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
尾野村 治 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60304961)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | C-H結合活性化 / 酸化 / シクロアルカン / シクロヘキサン / アジピン酸 / 環境調和 / 金属フリー |
Outline of Annual Research Achievements |
ナイロンやポリエステルの原料として重要なアジピン酸の製造にはシクロヘキサンをいったんK/Aオイル(シクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合物)に酸化し、これを硝酸で酸化する二段階法(DuPont法)が採用されている。大量の窒素酸化物が発生するこの方法の代替法として、シクロヘキサンからアジピン酸を合成できる環境に調和した酸化反応を開発することが目的である。 今回、シクロヘキサンのC(sp3)-H結合を活性化し,高効率にアジピン酸に酸化できる反応の開発に成功した。この反応は1)-3)に示すように、従来法とは異なる優れた特性を有している。1) 金属を全く必要としない 2) 選択性が極めて高い 3) 常温・常圧で進行する。 この反応の詳細を4)-9)に記す。 4) 添加剤として金属を用いずN-ヒドロキシイミド類を用いれば、高効率に反応が進行する。5) 硝酸の代わりに硝酸アンモニウム等の硝酸塩を使用することもできたが収率が低下した。一方、亜硝酸塩を用いた場合には全く反応が進行しなかった。このことから、N-ヒドロキシイミドからN-オキシルを発生させるにはNO2+が必要であることが示唆される。6) 硝酸塩ではなく硝酸を使用することにより、TFAの使用量を減じることができた。その結果、単位体積当たりの生産性が5倍になった。7) TFA以外の酸を溶媒とした場合には、70%硝酸中で収率11%を除くとほとんど反応は進行しなかった。8) 他のシクロアルカンに対しても反応は進行したが、環の大きさが反応速度、収率に影響することがわかった。 また、鎖状アルカンでは低収率ではあるが、ほぼ単一の生成物として2個減炭したカルボン酸が得られた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)