2012 Fiscal Year Annual Research Report
量子色力学の相構造解析
Publicly Offered Research
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
23105707
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
武田 真滋 金沢大学, 数物科学系, 助教 (60577881)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 格子量子色力学 / 相転移 / 有限温度・密度 / 計算物理学 / 素粒子論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標である3フレーバー理論の問題に取り組む前に、まず、4フレーバー理論の相構造解析を行った。この理由は、すでに4フレーバー理論のデータが揃っており、有限サイズスケーリング法を用いた解析法の吟味が可能だからである。結果、軽い質量領域では一次相転移の兆候が見え、一方、重い方ではクロスオーバーの振る舞いが見られた。これにより、符号問題が厳しくない状況において、我々の解析法の妥当性を示す事ができた。現在、これらの結果を論文にまとめているところであり、近日発表予定である。 また、これらの4フレーバーの結果は、秋の物理学会やセミナー(東工大岡研究室9月)、各種研究会(イタリア・フィレンツェ9月、東大物性研5月)、で発表した。特に、イタリアの研究会での旅費は本研究資金から捻出した。 一方で、本題の3フレーバー理論の現状は、空間格子サイズ8x8x8,10x10x10のデータを生成し、解析の結果、臨界終点存在の兆候が見られた。具体的には、感受率の体積依存性の特徴から数10%の誤差で臨界終点の範囲を定めることができた。今後はさらに精度を高めるために、大きな体積12x12x12のデータを生成したり、ビンダーキュムラント法を用いる予定であるが、これは今後の課題としたい。本研究期間中に臨界終点の存在の可能性を示せたことは、今後の研究に先鞭を付けたという意味で非常に意義深い。 本年度のデータ生成には、筑波大学計算科学研究センターのHA-PACS計算機(全ノード数268)を用いた。これは、各ノード当たり4GPUを搭載しており、本研究の計算に重要な役割を果たしている。平成24年度後期は学際共同利用に応募し、8ノード換算で22000時間の配分を無料で獲得した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)