2012 Fiscal Year Annual Research Report
黒潮親潮混合域における海面乱流熱フラックス変動に果たす海面水温変動機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-scale air-sea interaction under the East-Asian monsoon: A "hot spot" in the climate system |
Project/Area Number |
23106501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 周作 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50547320)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大気海洋相互作用 / 亜寒帯水温前線 / 黒潮親潮混合域 / 暖水渦 / 黒潮続流流路形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
北太平洋西部に亜寒帯海面水温前線(北緯40度近辺)が存在する.本年度は,衛星観測海面水温資料を用いることで,この水温前線の強度変動特性の理解を目指した.1982年から2011年までの振る舞いを調べた結果,前線強度は準10年周期で変動することがわかった.次に,変動要因特定のために,船舶等により採集された水温・塩分資料を用い,合成図解析(前線強化期・弱化期)を行った.その結果,前線南部(黒潮・親潮混合水域)に分布する高温・高塩分水が,前線強化の主因であることがわかった.そこで,この高温・高塩分水の起源を特定するために水系解析を行った結果,黒潮系の水塊であることを見出した.また,この黒潮系水は,北緯35度近傍の黒潮続流から切離した渦(直径200km程度)により輸送されることがわかった.次に,亜寒帯水温前線が大気場に及ぼす影響を理解するために,気象庁作成の大気再解析資料を使用した.その結果,水温前線の強化に伴い,直上気温の傾圧性(南北勾配)も増すことがわかった.これは,大気への海洋強制の存在を示す証拠であり,大気海洋系の実態解明に資する成果である. また,研究対象とした亜寒帯水温前線近傍では,中央モード水(水温・塩分が一様な水塊)が形成される.そこで,水温前線のさらなる理解を得るために,気象庁気象研究所提供の歴史実験資料を用い,中央モード水の時空間変動特性を調べた.その結果,この中央モード水は,海洋内部を南部に移流することを見出した(移流速度は毎秒1 cm程度).さらに,移流に伴う渦位構造の変化が,東部亜熱帯海面水温前線(北緯27度近辺)の強度を決定していることがわかった.すなわち,本研究により,中央モード水が,亜寒帯前線と亜熱帯前線をつなぐ「架け橋」としての役割を果たすことが明らかになった.本成果は,気候系の変動機構解明に資するものである.
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)