2012 Fiscal Year Annual Research Report
大気海洋間の運動量交換過程に対する波浪とエネルギー散逸の影響に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-scale air-sea interaction under the East-Asian monsoon: A "hot spot" in the climate system |
Project/Area Number |
23106503
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根田 昌典 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10273434)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 波浪観測 / 海洋混合層 / 乱流エネルギー / 海面フラックス / 大気海洋相互作用 / 黒潮続流域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外洋域での海面熱・運動量交換量の直接観測,波浪の観測,海洋中の運動エネルギー散逸量の観測に基づいて,海面における運動量交換過程における風波とうねりの影響と、その海洋混合層へのエネルギー注入量への影響の評価を行うことである. 今年度は、海面の乱流構造(海面の乱流フラックスパラメタリゼーション、海洋表層の乱流構造)と波浪の関係について調査した。昨年度実施した、波浪観測の結果を検討し、波浪ブイの観測データから波浪スペクトルの計算値を得られるようになった。また、波浪観測のない期間では波浪モデルプロダクトの利用可能性を検討した。風波とうねりの分離はほぼ信頼できるが、1日程度の間の波高変化や波向きについては問題がありそうなので、波浪ブイによる観測は必須である。この観測結果に基づいて、昨年度に引き続き、船舶上における渦相関法を用いた乱流フラックス直接観測値とバルク法による乱流フラックスを比較し、その修正による精度向上の可能性があることを示した。両者の差と波浪との関係からは、うねりの強弱によって、修正量が異なる可能性が示唆されるが、サンプルを多くして、より詳細に調べる必要がある。 得られた乱流フラックスの値を用いて、海洋混合層中の乱流エネルギーバランスについて調べたところ、海洋の散逸率の鉛直構造が海洋の成層構造の影響を受けて変化する可能性を示した。浮力フラックスとの比率はこれまで一定と仮定されてきたが、必ずしも一定ではない可能性が高いことがわかった。 また、人工衛星データの観測精度に対する波浪の影響を調べるために、マイクロ波放射計AMSR2の風速の推定精度を検証したところ、有義波方向と風向、海流の方向と風向の関係に対して系統的な誤差が生じる傾向が見られた。人工衛星風速が海面に対する相対風により強い感度がある可能性がある
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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