2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト界面制御によるナノ・マイクロ粒子の微細構造制御とその機能開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
23106705
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸村 顕広 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (70422326)
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Keywords | ポリイオンコンプレックス / ブロック共重合体 / ソフトマター / 自己組織化 / メソ構造体 / ナノ多孔体 / 刺激応答性材料 / 水分散性材料 |
Research Abstract |
本研究では、ポリイオンコンプレックス(PIC)構造をスキャホールドとするナノ構造マイクロ粒子の微細構造制御と形成機構の解明をソフト界面の精密制御に基づき行い、さらに材料としての機能開拓を行っている。平成23年度は、1.ポリマー構造のチューニングと微細構造の系統的解析、2.PIC力学特性の評価と粒径制御、3.ナノポーラス構造の機能化:PIC層及びPEG表面の修飾法の確立、を実施した。1.については、荷電連鎖の鎖長、荷電側鎖の構造などを変えた一連のポリマーを合成し、PEGの鎖長やその含有率、あるいは、溶液の各種パラメタ(ポリマー濃度、荷電比、調製温度、添加塩濃度など)を変化させて生じる微細構造の系統的解析を行い、相図の作成を試みた。光学顕微鏡と透過型電子顕微鏡を用いた評価を通じ、PEG含有率やポリカチオン含有率、及び、添加塩や荷電比などのパラメタにより、種々のナノ構造体が熱力学的に作り分けられることが明らかとなった。2.については、PIC膜内の架橋による力学特性の制御をAFMなどを用いて評価する実験を開始した。また、粒度分布の制御について、連携研究者の小穴と協力してマイクロ流体デバイスを用いた方法論について取り組みを開始した。3.については、PIC内の未反応官能基を足がかりとした修飾を行ない、機能化を試みた。23年度は低分子による修飾を試み、期待通り反応が進行することを確認し、機能化が可能であることを明らかにした。また、PEGの開始末端にアセタール基やアジド基を導入し、PICナノ構造体上にこれらを配置し、PEG末端が化学修飾可能であることも確認した。これらに加え、光学顕微鏡を用いたリアルタイム観察から、ベシクル構造からナノ多孔体やマルチコンパートメント構造の形成が起こるダイナミックな構造変換現象を新たに発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
23年度の目的に記載した3つの研究項目について、計画調書に記した通りの十分な進展が見られたのに加え、平成24年度に実施する予定だった内容についても、一部前倒しで成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書の記載した通り、継続して研究を行う項目については、23年度の成果に基づき研究を推進する。また、24年度に研究を開始する項目については、23年度に得られた研究成果と合わせ、さらなる深化を試みる。
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Research Products
(26 results)