2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの二次元自己組織化によるインテリジェントソフト界面の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
23106706
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
葛谷 明紀 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (00456154)
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Keywords | DNA / ナノ構造 / DNAナノテクノロジー / 酵素 / ナノ材料 / 金ナノ粒子 / 一分子解析 |
Research Abstract |
インテリジェント界面内に取り込むDNAオリガミとして、ナノメートルサイズのDNAウェルを3x3に配置したDNAナノ構造体、DNAワッフルを選択し、ここに異種の酵素を固定化することを検討した。この構造体の特長として、加えるDNAの種類を適宜選択することで、DNAウェルの大きさをヘリックス4ターン分(14nm)から2ターン分(7nm)まで、それぞれ自在に調節できることが挙げられる。これまでの研究により、直径5nmのストレプトアビジンの固定化には、幅7nmの2ターンウェルが最も適していることが明らかとなっている。また、抗原認識部位間の距離が5-11nmの範囲で柔軟に変形するIgGに関しては、その取り込み効率はさほどウェルのサイズによらず、幅が7-10nmになる3ターンウェルと2ターンウェルの両方がIgGの固定化に適していることが確認された。これらの知見に基づき、ストレプトアビジンとホースラディッシュペルオキシダーゼのコンジュゲート、およびIgGとアルカリフォスファターゼのコンジュゲートを用いて、DNAワッフル上への二種の酵素の選択的な固定化を検討した。まず、ストレプトアビジンのリガンドであるビオチンあるいはIgGの抗原であるFAMの片方、もしくはその両方をDNAワッフルに修飾した。この修飾DNAワッフルを含んだ溶液と二種のコンジュゲートを含んだ溶液とを混合して酵素の固定化を行った後、ゲル濾過を用いて未反応のコンジュゲートを除いた結果、残った溶液は未修飾のDNAワッフルと比較して顕著に高い酵素活性を示し、狙い通りの酵素の固定化が行えたことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAオリガミ、巨大二次元DNAシートのそれぞれについて、形成および解析の手法が着々と蓄積されつつあり、これらのハイブリッド上で酵素反応を行う環境が整ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
巨大二次元DNAシート内へのDNAオリガミ構造体の埋め込み技術を再確認し、早急にこれらのハイブリッドへの酵素を始めとするナノ材料の固定化を検討する。その結果に基づき、DNAオリガミ上に酵素、巨大二次元DNAシート側に金ナノ粒子を固定化し、酵素反応の二次元ナノ解析を行う。
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Research Products
(5 results)