2011 Fiscal Year Annual Research Report
パターン化モデル生体膜と微小構造体を接合したナノ界面における分子認識と分子輸送
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
23106714
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森垣 憲一 神戸大学, 遺伝子実験センター, 准教授 (10358179)
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Keywords | 生体膜 / エラストマー材料 / 分子認識 |
Research Abstract |
生体膜は、細胞において外部環境との境界をなし、分子認識などの重要な機能を担うソフトインターフェースである。研究代表者は、光重合されたポリマー脂質二分子膜と生体膜(流動性脂質二分子膜)を光リソグラフィー技術でパターン化したモデル生体膜を開発してきた。本研究では、ポリマー脂質二分子膜表面を高分子材料で化学修飾して、エラストマー微小構造体と分子レベルで接合することを目標としている。そのため、親水部位に化学反応性基(エタノールアミン)を持った脂質を用いて、ポリマー脂質二分子膜を形成し、脂質膜表面に生体分子を化学修飾することを試みた。ポリマー脂質二分子膜は、コリン基とエタノールアミン基を持つ光重合性リン脂質(DiynePCおよびDiynePE)を用いて作製した。モノマー脂質二分子膜をラングミュア・プロジェットーラングミュア・シェーファー(LB/LS)法によって基板上に累積し、紫外光でパターン化光重合を行った。化学修飾のモデルとして、両末端にビオチン基とカルボン酸活性エステル(NHS)を持つポリエチレングリコール(PEG)を用い、ポリマー脂質表面にビオチン基を結合することが出来た。一方、代表的なエラストマー材料であるPDMS表面にビオチン基を修飾しストレプタビジンを結合した。そして、ビオチン-ストレプタビジン結合を利用してポリマー脂質膜とPDMSとを接合することを試みた。また、脂質膜表面に分子認識を利用してベシクルを結合し、PDMSと接着するスペーサーとして活用することも試みた。両者の間に封入された水溶性蛍光色素の拡散速度を計測することで、接合の程度を評価することが出来、効果的に接合を行うための指針を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていた、ポリマー脂質二分子膜の化学修飾に成功した。また、ポリマー膜とPDMSとをビオチン-ストレプタビジン結合で接合することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標は、PDMSと脂質膜との間に親水性ポリマー層を設け、それによって両者の距離を制御した「ナノギャップ構造」を作製することにある。今後は、PDMSと脂質膜とをベシクルで接合する手法とともに、両者に長さのコントロールされた親水性ポリマーを付加し、それらの相互作用で両者を接合することを試みる。
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Research Products
(4 results)