2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト界面構築による強磁性ナノ粒子の機能化
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
23106718
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
栄長 泰明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00322066)
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Keywords | ナノ粒子 / 強磁性 / ソフト界面 / 表面修飾 / ビオチン / 温熱療法 / MRI造影剤 |
Research Abstract |
磁性や超伝導を示すナノ粒子は、次世代の記録材料をはじめとして多くの応用の可能性を秘めており、盛んに研究開発が行われている。そのような中、これらの物理特性に加えて、新たな付加価値をもつ高機能性のナノ粒子を創製することは、新たな応用の可能性を広げる点で意義深いといえる。これまで我々は、「光機能化」という観点で、磁性微粒子の直接の界面化学修飾や、逆ミセルの反応場を利用した機能性ナノ粒子の作製に成功してきた。そこで我々は、これらの考え方を「ソフト界面構築」という観点で捉えることにより、これまでに報告例のない「室温強磁性ナノ粒子の界面機能化によるバイオ応用できる新規な磁性微粒子」の創製や、新しい「光機能をもつ超伝導体の創製」を目指した新しいシステムを創製することを目的とした。特に本年度は、バイオ応用可能な室温強磁性微粒子として「ビオチン修飾FePtナノ粒子」の作製を試みた。はじめにfcc構造をもつFePtナノ粒子をシリカによりコーティングし、焼成することで室温にて高保磁力をもつL10構造のFePtナノ粒子を合成した。さらに、塩基によりシリカを溶解する際に設計した分子を表面修飾することで最終的にビオチンを修飾した微粒子を作製した。その結果、平均粒径5.2nm、300Kにおける保磁力16kOeをもつ微粒子を作製することに成功し、さらに、HABA/avidin結合アッセイ法により、ビオチンの分子認識能を確認するとともに、ビオチンの修飾量を154.2μmol/gと見積もることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソフト界面を利用した室温強磁性ナノ粒子として、ビオチンを表面に修飾した微粒子の創製に成功したことは、本研究の最初の目的を達成したことなり、おおむね順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
FePtナノ粒子を水分散させ、温熱療法としての応用可能性の評価を行う。また、強磁性ナノ粒子として、金のナノ粒子の機能化をめざすとともに、DNAセンシングできる表面修飾を行い、その応用可能性について検討する。
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