2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト界面で修飾されたプラズモニックチップ上の高感度蛍光バイオセンシング
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Soft-Interface Science |
Project/Area Number |
23106728
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田和 圭子 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (80344109)
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Keywords | プラズモニックチップ / 酸化亜鉛 / PEG / 非特異吸着 / 高感度検出 / 蛍光 / 表面修飾 |
Research Abstract |
プラズモニックチップ(=金属薄膜でコーティングした波長オーダーの周期構造をもつチップ)を用いた増強蛍光法によるバイオセンシングでは、表面プラズモン共鳴法(ビアコア)と比べ、5桁ほど高感度な抗原抗体反応の検出が可能である。本研究では、さらに高S/N・高感度なマーカー検出を目指し、酸化亜鉛でコーティングされたプラズモニックチップに、非特異吸着を抑制し、様々な種類の抗体に対して高密度な抗体修飾が可能なソフト界面を形成し、サンドイッチアッセイによる高感度なマーカー計測を行う。周期構造は石英モールドを用いて光ナノインプリント法により作製し、銀薄膜(膜厚30~40nm)とZnO薄膜(膜厚20nm)、および銀薄膜との界面には接着層として膜厚1nm以下のCr薄膜をrfスパッター法により成膜し、プラズモニックチップとした。プラズモニックチップ界面はZnOであるが、ZnOはシリカと異なり、UV照射による洗浄ができなかったため、成膜後そのまま2種類のシランカップリング剤を用いて、ビオチンを標識したPEGをリンカーとするソフト界面を作製した。1ステップでビオチン修飾するほうが、2ステップの化学反応によるビオチン修飾よりも、結合した蛍光標識ストレプトアビジンからの蛍光強度は大きく、ビオチンの結合密度において1ステップのほうが修飾率が大きいことによるものであると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化亜鉛へのシランカップリング反応は効率よく行うことができた。PEGによる表面修飾での非特異吸着抑制とともに、酸化亜鉛の効果により、十分な非特異吸着抑制ができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズモニックチップにリンカーで形成したソフト界面に抗体を修飾し、マーカーを結合させ、cy5蛍光標識検出抗体を結合させるサンドイッチアッセイとし、サンドイッチアッセイ下で、本チップの感度を評価するとともに、非特異吸着の抑制効果を評価する。非特異吸着抑制のため、界面活性剤やブロッキング剤を検討する予定であるが、これらのアッセイプロトコールに耐えうるチップ構造をつくることも必須である。非特異吸着抑制の界面評価にはFTIR-ATR法を用いることも検討している。
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Research Products
(7 results)