2011 Fiscal Year Annual Research Report
印象派物理学による天然複合材料の研究:マテリアル開発における指導原理の構築
Publicly Offered Research
Project Area | Fusion Materials: Creative Development of Materials and Exploration of Their Function through Molecular Control |
Project/Area Number |
23107513
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
奥村 剛 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (80271500)
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Keywords | 融合マテリアル / 印象派物理学 / 天然複合材料 / 破壊・強靭性 |
Research Abstract |
本研究は、「真珠層」や「クモの巣」等について、その天然構造と優れた物理的特性の関係を明らかにすることを目指している。これにより、シンプルで本質をついた理解からマテリアル開発の指導原理を構築し、マテリアル開発に貢献することを目的とする。本研究では、非線形性と多重階層性に着眼点を広げ、従来のモデルを深化させるなどして、理論、シミュレーション、実験の研究を同時進行する。さらに積極的な領域内研究によって、領域内の他の研究者と本代表者の特徴を共に生かすことができるようなオリジナルな新テーマの発掘も目指す。この目的に沿って、本年度は以下のような研究を行った (1)非線形シートポリマーの破壊応力:シート状のポリマー物質の破壊応力に関する実験研究を深化させ、論文にまとめた。亀裂のサイズ(a)をシートサイズ(L)とシート厚み(t)の中間にとり、t<<a<<Lの条件をよく満たすようにして、空間スケールが良く分離する状況を実現した。その結果、身近で非線形性の強い材料から明確なスケーリング法則を発見した。この法則は、破壊力学の古典的法則であるグリフィスの公式を非線形に拡張するものであり、基礎的な意味も大きく、今後、材料の開発の指導原理として役立つ可能性もある。さらに、この実験を、速度可変で行うことを目指して、実験装置の開発を行った。 (2)非線形真珠層モデルの強靭性:真珠層について、どのような非線形性を入れると効率的に応力集中を抑えられるかに着目してシミュレーションと解析を行った。その結果、大変興味深い結果が得られつつある。 (3)弾塑性(多重階層性)モデルにおける応力集中:真珠層とクモの巣のシミュレーションに分子レベルからの多重階層性を反映させるための準備として、弾塑性(多重階層性)モデルにおける応力集中のシミュレーションと解析を行った。 (4)領域内のメンバーが提供する特殊サンプルを用いた濡れの実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的に沿った研究実績がアウトプットされ、着実に研究が進行しており、来年度にさらにアウトプットが出る準備が整ってきている。領域内交流では予想外の研究テーマが発掘され、今後の展開に期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在着手している研究を着実に進めていく。領域内交流で発掘された濡れ現象に関する新テーマもマテリアル開発の指導原理という観点から捉え、本研究で積極的に取り組んでいく。
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