2012 Fiscal Year Annual Research Report
統計力学基礎論・非平衡統計力学のブレークスルーによる一分子測定理論の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107703
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 久美子 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00585979)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生体モーター / 非平衡統計力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、タンパク質回転モーターF1-ATPaseに非平衡統計力学の揺らぎの定理を応用して回転トルクを測定する理論を構築してきた。非平衡統計力学の揺らぎの定理はもともとエントロピー生成の分布の対称性に関する理論であるが、これを応用して、生体モーターの駆動力測定を行う方法を研究して来た。F1-ATPaseの他にV1-ATPaseにも本理論を応用し、回転トルクの測定を行った。従来の回転トルク測定の方法よりも揺らぎの定理を用いた方法は、正確な測定が出来るためV1-ATPaseの変異体の回転トルクを正確に測定し、野生型と比較することができた。次に、本研究ではこの定理を細胞内で輸送されるオルガネラに働く力の測定に応用することを試みた。ミトコンドリアなどのオルガネラは、細胞内で微小管に沿ってタンパク質モーターであるキネシンやダイニンに輸送される。これらのモーターがミトコンドリアを輸送する際、ミトコンドリアにかかる力を測定することを試みた。PC12細胞を培養し、これを用いてミトコンドリアを蛍光顕微鏡で観察した。動画から得られたミトコンドリアの重心の運動を解析した。揺らぎの定理から見積もったオルガネラに働く力から、細胞内の粘性を見積もった。揺らぎの定理によって見積もった値の妥当性を議論するために、蛍光相関分析法によって細胞内に取り込ませたビーズの拡散から粘性を見積もった(細胞内へのビーズの取り込みはエレクトロポーレション法を用いて行った。)両者は実験誤差の範囲で一致した。実験結果を更に議論するため、シミュレーションを用いてミトコンドリアサイズの大きさの粒子の拡散を再現することを試みた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)