2011 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによる電位依存性イオンチャネルの動的構造と機能発現機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大澤 匡範 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60361606)
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Keywords | 電位依存性イオンチャネル / 電位センサードメイン / ポアドメイン / NMR / 構造揺らぎ |
Research Abstract |
電位依存性イオンチャネルは、膜電位に応じてイオンの膜透過性を変えることにより活動電位などの生理現象において中心的な役割を担っている。一般に電位依存性イオンチャネルは、電位センサードメイン(VSD)と、イオン透過路(細胞内ゲートおよびイオン選択性フィルター(SF))を有するポアドメイン(PD)からなる。本研究では、VSDを有しPDを持たない電位依存性プロトンチャネルVSOPと、PDのみからなるpH依存性カリウムチャネルKcsAを解析対象とし、溶液NMR法を用い、電位依存性イオンチャネルの機能に直結したVSDとPDの構造揺らぎの解明を目的とする。 1 KcsA(PD)の活性化・不活性化の各構造間の遷移速度を、13C-zz exchange法で定量的に求めた。また、遷移速度の温度依存性から、高温で活性化構造のpopulationが高くなるのは、不活性化状態が不安定化するのではなく、活性化状態が安定化することによることが分かった。 2 VSOPをリポソームに再構成することにより、電位依存的なVSOPのプロトン透過活性を確認した。VSOPはこれまでに亜鉛イオンにより阻害されることが知られているが、我々が調製した試料でもZnによる阻害が観測されたことから、調製したVSOPが適切な構造をとり、機能を有していることが明らかとなった。 3 VSOP(VSD)のIle,Leu,Valの1残基変異体のスペクトルと野生型のスペクトルを比較することにより、メチル基の帰属を行った。また、メチル基間のNOEの解析を行うことにより部分的に構造情報が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VSOPについては調製したタンパク質のプロトンチャネル活性を確認することができ、さらに良好なNMRスペクトルを与えた。VSOPのメチル基のNMRシグナルの帰属は難航することが予想されたが、これまでに変異体を用いた帰属がほぼ完了できた。これらは当初の計画通りであるため、(2)の区分であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、メチル基間のNOEなどの構造情報取得し、VSOPの立体構造を明らかにし、運動性パラメータを定量的に記述する。 リポソームに再構成したタンパク質の膜電位存在下でのNMRシグナル観測法を確立する。高分解能のNMRシグナルの観測が困難である場合には、膜電位依存的な構造変化様式を、Cys導入およびその修飾反応の可否により明らかにする。
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Research Products
(5 results)