2011 Fiscal Year Annual Research Report
精神遅滞関連蛋白質PQBP-1の揺らぎと機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107710
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
水口 峰之 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (30332662)
|
Keywords | 天然変性蛋白質 / タンパク質 / ポリグルタミン / NMR |
Research Abstract |
PQBP-1の欠損変異体の発現プラスミドを準備した。欠損変異体は、82-222欠損変異(Δ82-222)と98-192欠損変異(Δ98-192)とした。Δ82-222はX連鎖精神遅滞に関与するスプライシングバリアントである。 Δ82-222とΔ98-192は、Hisタグ融合タンパク質として発現させた。発現ベクターは、Δ82-222とΔ98-192をコードするDNA配列をpOPベクターに挿入して得た。目的タンパク質は、Ni-NTAレジンによって精製し、さらにゲルろ過クロマトグラフィーによって精製した。また、Δ82-222とΔ98-192を蛍光分子であるFlAsHで標識するために、FlAsH結合配列をN末端に不可したタンパク質の発現系も構築した。 また、PQBP-1のΔ1-35、Δ1-93、Δ95-265、Δ115-265、Δ135-265も準備した。Δ1-35とΔ1-93はGST融合タンパク質として発現し、3Cプロテアーゼによって目的タンパク質を切り離し、ゲルろ過クロマトグラフィーによって精製した。Δ95-265、Δ115-265、Δ135-265はHisタグ融合タンパク質として発現・精製した。Δ95-265、Δ115-265、Δ135-265の^<15>Nラベル体のNMRスペクトルを測定した結果、PQBP-1のWWドメインと他のドメインとの分子内相互作用を示唆するデータが得られた。さらに、PQBP-1の分子内FRETの観測を試みたところ、NMRと同様に分子内相互作用の存在を示唆していた。 PQBP-1のターゲット分子であるU5-15kDを準備した。N末端にHisタグを付加したU5-15kDを大腸菌で発現させ、Ni-NTAレジンとゲルろ過クロマトグラフィーによって精製した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではPQBP-1の揺らぎについて研究を進める。研究計画に記載したとおり、PQBP-1の欠損変異体を多数準備し、NMR測定や蛍光測定を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られた結果から考えると、PQBP-1の天然変性蛋白質領域が分子内相互作用をしている可能性が考えられる。また、分子内相互作用は複雑で複数のパターンがあることを示唆していた。今後は、この複雑な分子内相互作用がPQBP-1の機能とどのように関連するのかを明らかにする必要がある。
|