2012 Fiscal Year Annual Research Report
1分子リフォールディング実験によるミオグロビンの天然ー変性状態の揺らぎの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107711
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川上 勝 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (70452117)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ミオグロビン / 1分子測定 / メカニカルアンフォールディング / リフォールディング |
Outline of Annual Research Achievements |
24年度は、23年度に引き続き、ミオグロビンのホロ体に対し、1分子力学測定(メカニカルアンフォールディング)実験を行い、ミオグロビンをN末、C末方向から引っ張る事で、分子の力学安定性を調べ、さらに、メカニカルアンフォールディングがどの様に進行するかを調べた。300余りのアンフォールディングデータを調べた結果、ホロ体のミオグロビンは、張力に対し、まずその全体構造を30pN程度の張力までは保持し、その後、一斉に構造が壊れる、すなわちアンフォールディングピークが一度のみ出現する場合に加えて、第二、第三のアンフォールディングピークを伴う、すなわち構造は一度に全て壊れるのではなく、いくつかの中間体を経てメカニカルアンフォールディングが頻繁に起こる事を発見した。これらは、ミオグロビンのアンフォールディング経路が同時に複数存在することを示している。ミオグロビンがこのように複数の経路を取る事が出来る理由として、ミオグロビンの天然状態が、いくつかの準安定状態間を揺らいでおり、それぞれの状態に関して経路が決まっているためではないかと考えられる。さらには、この経路には、ヘムとの相互作用が大きく関わっている事が示唆される。 次にホロ体のメカニカルアンフォールディング実験を進展させ、グロビン鎖を引っ張って壊す事でヘムを一旦解離させ、張力を緩めて再びミオグロビンをリフォールディングさせるという実験を行う事で、ミオグロビンのアポ体のメカニカルアンフォールディング実験を実現した。その結果、アポ体のアンフォールディング経路はホロ体とは異なり、中間体を経ない、協同的なアンフォールディングのみであることを見出した。つまりヘムとの相互作用を失った状態の分子は、アンフォールディング中間体を経ずに壊れる事が分かり、上述の仮説を強く支持する結果が得られた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)