2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質の選択的な相互作用に必要な蛋白質構造揺らぎの検出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107715
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今元 泰 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80263200)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | システイン / HD交換反応 / 構造変化 / ロドプシン / 赤外分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表的なG蛋白質共役型受容体であるロドプシン(網膜の光センサー蛋白質)の任意の部位にシステイン残基を導入し、その側鎖のH/D交換反応から構造揺らぎを検出することを試みた。システイン側鎖のH/D交換は、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)で検出した。システイン残基のSH基に由来する振動モードは2525-2585cm-1という比較的狭い領域に見られるが、この領域では蛋白質の他の振動モードの寄与が小さいため、低いバックグラウンドで高精度の測定が可能であると期待された。そこで、発色団近傍のAla117、およびThr118をCysに置換したロドプシン変異体を作成した。これらを組み込んだリポソームを乾燥させ、H2Oの水蒸気で水和後、FTIR測定に用いた。80Kで光照射することにより、バソ中間体と暗状態の差FTIRスペクトルを測定した。発色団の異性化にともなってCys117とCys118の周辺には環境変化が起こるため、Cysに由来するSHモードの変化が観測された。 次に、D2Oで一定時間水和した試料を用いて同様の測定を行った。SH基の振動バンドはH/D交換によって大きく変化するため、2525cm-1から2585cm-1までの波数領域から消失する。A117Cでは、ほぼ完全にシグナルが消失したのに対して、T118では45%程度が残存していた。これらの実験では、暗状態ロドプシンを重水和したため、これらの違いは暗状態のH/D交換速度の違いを反映していると考えられる。しかしながら、暗状態の結晶構造(1U19)から予測される溶媒露出表面積は、117位よりも118位の方が大きいので、この差は単に露出面積だけではなく、構造揺らぎを反映していることが示唆された。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)