2012 Fiscal Year Annual Research Report
中性子散乱法を用いた脂質膜非対称性の解消に関わる脂質-タンパク質相互作用の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107718
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
中野 実 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 教授 (70314226)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 中性子散乱 / リン脂質 / 脂質輸送タンパク質 / 表面プラズモン共鳴 / ベシクル |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質の膜間および膜内表裏間の輸送とその制御は細胞のホメオスタシス維持に重要な役割を果たしている。本研究では、脂質の膜間輸送を担うと考えられる脂質輸送タンパク質について、その機能の評価を行った。 時分割SANS法を利用して、酵母のリン脂質輸送タンパク質であるSec14の活性評価を行った。Sec14濃度依存的な脂質の粒子間移動速度の上昇が見られたことから、Sec14のリン脂質輸送活性をSANS法で観察できることが明らかになった。Sec14 のPOPC輸送活性は、ベシクルに10mol%のホスファチジルイノシトールやホスファチジルセリンが含まれることによって上昇した。一方、表面プラズモン共鳴法によって膜結合性を評価したところ、Sec14 の膜への結合はこれらの酸性リン脂質の影響を受けないことが判明した。このことから、これらの酸性リン脂質は膜上のSec14 がポケットの脂質を交換する速度を高めていると考えられる。さらに、粒径約40 nmのPOPCベシクルでは約110 nmのベシクルと比べて、著しく速いSANS 強度の減衰が観測され、Sec14が曲率を認識することが判明した。 PCのみ、あるいはPIのみに結合能をもつ変異体を用いて脂質輸送活性および膜結合性を評価したところ、驚くべきことに、PIのみに結合能をもつ変異体もPC輸送活性を示したが、膜にPIが含まれることでPC輸送活性が低下し、膜結合性も低下した。このことから、Sec14の脂質結合ポケットには2種類の脂質が競合的に結合すること、脂質結合によって膜への親和性が低下することが判明した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)