2012 Fiscal Year Annual Research Report
分子モーターの構造揺らぎを調べる超高速配向イメージング法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107720
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 亮太 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (70403003)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 分子モーター / 1分子計測 / 揺らぎ |
Outline of Annual Research Achievements |
モータータンパク質の構造変化と揺らぎを明らかにするため、金ナノ粒子をプローブとした超高速・高空間分解能の検出法を開発した。全反射型レーザー暗視野顕微鏡を用いた金コロイドの検出では重心解析により、10マイクロ秒の時間分解能かつ数nmの位置決定精度で運動を検出することに成功した。さらに、金ナノロッドをプローブとした超高速配向イメージング法を開発した。金ナノロッドは長軸・短軸方向に沿って散乱が偏光するため、散乱の強度や散乱パターンのイメージングにより、その配向を決めることができる。重心位置がほとんど変化しない微小な回転運動に対しても有効で、並進方向の揺らぎによる影響を受けずに、高い角度分解能でモータータンパク質の構造変化を検出可能であった。 さらに、落斜型レーザー暗視野顕微鏡のデフォーカスイメージングにより、金ナノロッドの配向を10マイクロ秒の時間分解能かつ数度の角度分解能で検出することに成功し、ATP駆動回転分子モーターF1の回転子サブユニットγおよびトルク発生サブユニットβの構造変化と揺らぎを計測した。我々の方法は、蛍光や高速AFMを用いた従来の手法よりも時間分解能をずっと上げることが可能であった。 また全反射型レーザー暗視野顕微鏡を用い、微小管上を歩くリニアモーターであるキネシンの片足に金コロイドを結合させてその動きを高時間・空間分解能で測定することに成功した。キネシンは微小管に片足が結合した状態でATPの結合を待つことが知られているが、結合していない浮いた足の揺らぎの大きさや方向性は明らかでなかった。観察の結果、金コロイドを標識した片足は微小管に沿って16ナノメートルずつ進むだけでなく、微小管に垂直な右方向にも大きく揺らぐことが明らかになった。この結果は、片足結合状態においてキネシンの浮いた足は常に右方向に揺らぐという構造異方性が存在することを示していた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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