2011 Fiscal Year Annual Research Report
発光性プローブを用いた光受容タンパクの揺らぎ制御と検出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107722
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湯浅 順平 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学創成研究科, 助教 (00508054)
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Keywords | プローブ / タンパク / 構造変化 / 変性 / 時間分解 / CPL / キラリティー / 希土類錯体 |
Research Abstract |
本申請研究の目的は円偏光発光性プローブを用いた光受容タンパクの揺らぎ制御と検出である。タンパクに相互作用した超分子発光プローブ(レポート分子)の円偏光発光(CPL)を測定する。具体的にはタンパク質に固定化させた蛍光プローブの左右円偏光成分の規格値[g=2(IL-IR)/(IL+IR)]を測定する。この円偏光発光は発光プローブがキラルな超分子構造であるタンパクと相互作用することで誘起される。本年度はタンパクに共有結合するユーロピウム錯体として、配位子内にタンパク中のリシン残基と結合するスクシンイミド基を有するユーロピウム錯体を合成した。このユーロピウム錯体がタンパクのリシン残基と結合することを質量分析により確認した。このユーロピウム錯体を標識したBSAが円偏光発光を示すことを確認した。またこの円偏光発光がBSAとDNAとの相互作用によって変化するかを調べた。ユーロピウム錯体を標識したBSAの発光はDNAとの相互作用によって変化するが円偏光発光においては大きな変化は観測されなかった。現在、このようなタンパク質とDNAとの相互作用をCPLシグナルの変化として検出することのできる新しい希土類錯体の分子設計を行なっている。さらに円偏光発光(CPL)を測定する円偏光発光顕微鏡についても改良を行なった。具体的には溶液中でのDNA四重鎖のダイナミックな反応過程を追跡するために、円偏光発光顕微鏡にマイクロ流路系を組み合わせた測定系を構築している。この装置系の有用性を確かめるために有機溶媒中におけるキラルユーロピウム錯体の生成過程の追跡を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
円偏光を測定できる円偏光顕微分光システムが既に完成しているので、得られた希土類標識タンパクを効率良く測定することが出来る。一方で上述のように、希土類錯体の水溶化が今後の大きな課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、希土類錯体の水溶化が今後の大きな課題となる。その解決策として希土類の配位子として水溶性配位子(グリコール酸)を含む錯体を分子設計し、システマテックに合成評価を行なう。
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Research Products
(2 results)