2012 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロニン援助フォールディングにおけるタンパク質の揺らぎ制御の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107728
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
元島 史尋 京都産業大学, 総合生命科学部, 助教 (70372464)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | タンパク質 / フォールディング / 分子シャペロン / 揺らぎ / 疎水性相互作用 / 蛍光anisotropy |
Outline of Annual Research Achievements |
分子シャペロンは蛋白質のフォールディングを援助する特異な働きを持つ。我々の最近の結果は、シャペロニン空洞内における疎水性相互作用がフォールディング援助に大きく関わっていることを示唆している。しかし、この結果はこれまで想定されていた現象と大きく異なっており、これまでの研究結果を再検討する必要が出てきた。本研究は、シャペロニン空洞との疎水性相互作用によるタンパク質の局所的な揺らぎの制御がフォールディングにどのように影響しているかを明らかにし、シャペロニンによるフォールディング機構の解明することが目的である。最終年度までに以下の結果が得られ、いずれも我々の仮説を支持していた。 1.BFPのフォールディングにおけるシャペロニンの疎水性相互作用の影響 青色蛍光タンパク質(BFP)の構造変化をsingle-pair FRETにより測定したところ、BFPのフォールディング初期構造は、野生型Y203C自発的フォールディングの順に大きく、変性BFPがY203との疎水性相互作用によりアンフォールドされると考えられた。BFPフォールディングにおける熱力学的パラメータを算出した。Y203と変性BFPとの相互作用によりΔH(‡-D)が増加し、変性タンパク質の動きが抑制されてΔS(‡-D)が増加する結果、フォールディングの遷移状態エネルギーが低くなりフォールディング速度が上昇すると考えられた。 2.マルトース結合タンパク質変異体(DMMBP)の空洞内フォールディング 空洞内のDMMBPはBFPと同様、シャペロニン空洞内でアンフォールドしており、蛍光anisotropyにより空洞内のDMMBPの揺らぎは空洞外に比べて強く抑制されていることを明らかにした。この結果から、空洞内の電荷がフォールディングに重要であるとする仮説が誤りであることを明らかにした。これらの結果は本年度PNASに掲載された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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