2011 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー構造の解明による蛋白質構造揺らぎの可視化
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107729
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北原 亮 立命館大学, 薬学部, 准教授 (70512284)
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Keywords | 高圧力 / 準安定構造 / NMR / 構造揺らぎ / ユビキチン |
Research Abstract |
高圧力NMR法を用いてユビキチンの準安定構造(N2)を模倣した変異体の作成を行った。これまでに複数の変異体を作成し種々のNMR測定を行った。特にWTからの化学シフト変化量に基づいてQ41N変異体では、N2構造が52%以上分布していることが分かった。15Nスピン緩和測定及びモデルフリー解析に基づいて主鎖のダイナミクス解析を行った。ピコ秒-ナノ秒スケールのダイナミクスはN1,N2構造で概ね一致していたが構造変化が示唆されるヘリックス中央部でオーダーパラメーターが減少しており、揺らぎ幅の~20°程度の増加が見積もられた。一方、スピン-スピン緩和速度定数R2から、マイクロ秒-ミリ秒スケールのダイナミクスを解析した。周波数依存性(600MHz-950MHz)及び温度依存性(278K-298K)を調べ、既報の圧力依存性と類似の結果、すなわちヘリックスを含む蛋白質の一部の領域でR2値の増加を得た。これらの結果から、期待通りQ41N変異体はN1-N2状態の化学平衡を模倣していることが分かった。またCleanexPM解析により、水と水素結合しているアミドグループの検出を行ったところ、Nl→N2で構造変化する部分で2次構造が不安定化し水と相互作用しやすい状態にあることが分かった。これらの結果はQ41NがN2構造を約50%持っていることと一致する結果である。次に、残余双極子カップリング解析、13C/15N/1H化学シフト解析、原子間距離解析、主鎖二面角解析に基づいてQ41Nの原子座標解析が進行中である。また2または3アミノ酸変異により更に分布率が増加していることも確認し、信号帰属が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
残余双極子カップリングRDCを用いた立体構造解析など、技術習得に時間がかかり構造精密化が遅れている状況がある。NMR構造解析においても多数の計算用プログラムがあり、それらを使いこなすことは容易ではない。ユーザーが構造解析プログラムを簡便に利用できるシステムがあると研究の効率化が図れる。ヨーロッパのコミュニティーでは一連のソフトがパッケージ化されたweNMRなどがある。
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Strategy for Future Research Activity |
ユビキチンに含まれる他の高エネルギー構造(局所変性構造I)の設計を行い、立体構造解析を行う。N1-N2-I-Uの一連の構造を解明し構造揺らぎの全体像の解明を目指す。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Structural plasticity of staphylococcal nuclease probed by perturbation with pressure and pH2011
Author(s)
Kitahara R., Hata K., Maeno A., Akasaka K., Chimenti M.S., Garcia-Moreno B.E., Schroer M.A., Jeworrek C., Tolan M., Winter R., Roche J., Roumestand C., de Guillen K.M., Royer C.
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Journal Title
Protein Science
Volume: 79
Pages: 1293-1305
DOI
Peer Reviewed
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