2012 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス誘導による疾患治療と細胞膜の揺らぎ
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions |
Project/Area Number |
23107731
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
松本 陽子 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (00133562)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | リウマチ / リポソーム(複合脂質膜) / 細胞膜 / 揺らぎ / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
生体分子の揺らぎと機能は密接であり、生体膜およびタンパク質の揺らぎは生命現象の本質を解明する上で極めて重要な課題となっている。上岡らは脂質分子とミセル分子から成るハイブリッドリポソーム(HL)が、抗がん剤を含まず、がん治療・エイズ治療が可能なことを見出している。がんやエイズ同様に難治性疾患であるリウマチやアルツハイマー病にも細胞膜の揺らぎが関与している可能性がある。 本研究では、異常増殖する患者由来のリウマチ(滑膜)細胞(HFLS-RA)に対するハイブリッドリポソーム(HL)の増殖抑制効果およびリウマチモデルマウスに対するHL-23の治療効果を検討した。①in vitroにおけるHFLS-RA細胞に対する増殖抑制試験から、HLの顕著な増殖抑制効果が明らかになった。(Bioorg. Med. Chem. Lett., 21, 207 (2011))一方で、HLは政情滑膜(HFLS)細胞に対して低毒性であることが明らかになった。②フローサイトおよびTUNEL法での解析により、HLがHFLS-RA細胞に対し、アポトーシス誘導により増殖抑制効果を示す可能性を明らかにした。③HFLS-RA細胞は、HFLSに比べて膜流動性が大きく、HLが膜流動性の高いHFLS-RA細胞に対してのみ幕融合することを明らかにした。さらに、④関節炎自然発症モデルであるSKGマウスおよびDBAマウスを用いたⅡ型コラーゲン誘発関節炎モデルに対するHLの治療実験において、未治療群では、手指関節の腫れと関節の変形がみられたが、HL治療群においては関節の炎症は見られず、リウマチに特徴的な手指の腫れや関節の変形を抑制する基礎的知見が得られた。また、組織切片の免疫染色により、HLによる炎症性サイトカインの抑制効果、軟骨保護作用およびパンヌス形成に抑制効果を明らかにしつつある。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|