2012 Fiscal Year Annual Research Report
海綿-共生微生物複合体由来の小分子生合成マシナリーの探索
Publicly Offered Research
Project Area | Biosynthetic machinery: Deciphering and regulating the system for bioactive metabolite diversification |
Project/Area Number |
23108503
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
酒井 隆一 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 教授 (20265721)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 海綿 / ダイシハーベイン / 生合成遺伝子 / 共生微生物 / ゲノム / 適合溶質 / ベタイン / 藍藻 |
Outline of Annual Research Achievements |
海綿は特徴的な生理活性物質を含むが、その生合成研究は容易ではない。本研究では、海綿Lendenfeldia chondrodesより見出された興奮性アミノ酸ダイシハーベイン(DH)をモデルケースに海綿由来化合物の生合成研究の足がかりを得ることを目的とした。本海綿にはラン藻Synechocystisが共生しており、DHはこのラン藻に局在していることがわかっている。また、DH産生型、非産生型の海綿も存在する。本研究ではDH産生型の海綿に特有のタンパク質(DHP)の情報を手がかりに研究を進めることとした。海綿に共生するSynechocystisの分離を試みたところ、パーコール法でSynechocystisの細胞を濃縮することができた。分離した細胞にDHPが含まれることが確認できたのでそれを分離してN-末端アミノ酸配列を得た。また分離した細胞のゲノム解析を行い、ドラフト配列を得ることができた。その中にはDHPのN-末端アミノ酸配列に相同性の高い配列も見出された。一方で、海綿に含まれる水溶性代謝物を分離しその代謝物のパターンを調べたところ、微生物の適合溶質として見出されたグリセリル化糖が見出された。また、海綿には多くのマイコスポリン類が含まれていたが、分離した細胞では主に2種のマイコスポリンが確認された。これらの化合物は共生藍藻の代謝物である可能性が高いので、その生合成遺伝子のゲノム情報が得られると期待される。また、新規のベタインも得られたのでその構造決定を行った。これらの結果から本海綿の水溶性成分は細胞保護作用を示す適合溶質やベタイン等を多く含むことがわかり、これらの成分が共生微生物の細胞保護に資するものと推測された。生合成機構に関する情報が多いマイコスポリンや糖、そしてDHPが得られたことからこれらの情報を参考にしてDHの生合成遺伝子をゲノム中から見出されることが期待される。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)